友人の子供の洗礼式にお呼ばれしました。

「こういう場合の
『お祝いの品』って何なんでしょうね?」
と首を傾げるわが夫(英国人)。

「そういうことは私よりも君が
知っていてくれなくちゃ困るのだが。
銀の匙・・・とかじゃないか?」
「ああ、なるほど、
じゃあ銀の匙にしましょうか」

「いやいやいや、今のは物のたとえで、
私としてはもう少しこう
普段使いしてもらえる物の方がいい気が・・・
君は自分の洗礼式で何をもらったのかね」

「そんな昔のことを尋ねられても。
あ、『抜けた乳歯を入れる小箱』は
もらいました、その後ちゃんと
使ったんでよく覚えています」

こうなったら玄人の助言をいただこうぜ!
と街中のお店に行き
「友人の子供の洗礼式に
お呼ばれした際のプレゼントって
どんなものがいいんでしょうか」

「洗礼を受ける赤ちゃんへの贈り物ですか?
それとも赤ちゃんの
親御さんへの贈り物ですか?」
「赤ちゃんの方でお願いします」

「それでしたら赤ちゃん用の
縫いぐるみがお薦めですね」

・・・あ、そういう路線で問題ないんですか?

友人夫妻は本好きなので
『子供向け絵本の
キャラクターのぬいぐるみ』を
贈ることに決め、
夫とともに大型書店へ。

「この棚の縫いぐるみは
全部有名絵本のそれだ。
このうちのどれがいいと思う?」

棚に並ぶグラッファローやムーミントロール、
ペッパピッグやお茶にやって来た虎を前に
しかし夫はすっかり腰が引けてしまった模様。

もりでいちばんつよいのは? (児童図書館・絵本の部屋)/評論社
¥1,404
Amazon.co.jp


おたんじょうびね、ムーミントロール (ムーミンのおはなしえほん)/徳間書店
¥1,512
Amazon.co.jp


「どれと言われても・・・僕は
子供向け絵本には造詣が浅く・・・」

「グラッファローやムーミンは
対象年齢3歳以上という感じだからな、
もっと小さな子向けを対象にした
絵本のキャラクターが理想的だよな。
たとえばこれ、
『どんなにきみがすきだかあててごらん
(Guess how much I love you)』の
うさぎの縫いぐるみなんてよくないか」


どんなにきみがすきだかあててごらん (児童図書館・絵本の部屋)/評論社
¥1,404
Amazon.co.jp
Guess How Much I Love You/Walker Books Ltd
¥1,241
Amazon.co.jp

「お言葉ですが僕はその絵本のことを
まったく知らないのですが」

「就寝前の読み聞かせストーリーとして
ここ数年の堂々の大ベストセラーだぞ!
そこに絵本があるから読んでみたまえ、
子供向けだから2分で読める」

しぶしぶとページを繰りはじめたわが夫は
きっかり2分後目を輝かせて
「・・・これは素晴らしいお話ですね!」

「そうだろう、いいお話だろう」

「洗礼式のプレゼントは
このウサギの縫いぐるみにしましょう!」

「・・・あっちには君の子供の頃の愛読書
『ピーターラビット』シリーズの縫いぐるみもあるが?」


ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)/ビアトリクス・ポター
¥756
Amazon.co.jp

「いえ、今回は
あっちのウサギよりこっちのウサギです!
決定です!だって大ウサギも子ウサギも
本当に可愛らしいウサギじゃないですか!」

『どんなにきみがすきだかあててごらん』は
夫の心を射抜いたようです。


まああのウサギたちは確かに
卑怯なまでに健気で愛しすぎますよ

未読の方はぜひ次回
書店で内容をご確認ください

年を取ったせいかしらねえ、
こういうのに最近ますます弱いのよ
の1クリックを