ダウンジャケットの素材の中でも
防寒性・軽量性に特に優れた
『ダウンフェザー』を生まれつき
胸元にまとっているガチョウたち。

陸鳥であるニワトリに比べると
水鳥である彼らは
流石というか当然というか
格段に寒さ・湿気に強いのですが
(ニワトリがあわてて小屋に駆け戻るような
大雨の日でもガチョウたちは喜んで
水遊びなどしている)、それでも
雪の日は足元が冷えるのが嫌らしく。

うん・・・

足はなんていうか『剥き出し』だものね・・・

羽毛とか一切はえていないものね・・・

で、彼らの雪の日対策は
どういうものかというと、
足先が冷えて辛くなったら
足をお腹と翼の間に引きこんで
潔くその場に座り込む、というもので。

よいしょっと


確かにこの姿勢だと雪面に触れるのは
鉄壁のダウンフェザーと
防水性の優れた羽根部分のみで
大事な寒がりの足は
しっかり保温されているという。

我々人間が寒い日に手のひらを
ポケットに入れたり手袋で守ったりするのと
同じ方向の解決策というか。

これはほとんど本能に近い
彼らの生活の知恵と見えて、
去年の春にうまれた若ガチョウたちは
『雪』を初めて経験したその日、
いつものように大騒ぎしながら
小屋から外に飛び出して
その一面の白色と冷たさに
まるで腰が抜けたかのように
全羽その場にへたり込み、
次に静かに足を胸元に引き寄せて
その後ただひたすら
きょろきょろしていたものでありました。

さてところで若ガチョウ2羽と
親密な関係を構築中の兄君ガチョウは
それでも永遠の憧れの人である
ゴミバケツ嬢への朝晩の挨拶を欠かさず
「・・・妻ちゃん、こういうことをしているうちに
兄君は若ガチョウ2羽を他のガチョウ
(この場合は父ガチョウを指す)に
獲られちゃうんじゃないかと僕は心配なんです」

「一度決まったつがいの相手をガチョウは
変えない、という話は聞くけど、なにせ
兄君だからなあ・・・また父君ガチョウも
性格はどうあれ風采はガチョウ的に
非常に優れている様子だしなあ・・・」

事態を重く見た我々は審議の末
ゴミバケツをガチョウたちの目に
触れない場所に移しました。

翌日、朝から晩までそわそわし続ける兄君。

「これはあれですね、夜のうちに
何か大型捕食動物が出没して
自分の恋人を食べてしまった、という
理解なんでしょうね、兄君にしたら」

「・・・なんか若ガチョウ4羽が消えた日より
怯えている様子なのは気のせいかな」

しかしそのうち兄君もゴミバケツのない日々に慣れ、
するどどうしたことかガチョウ勢力図に再び変動が。

そう、父君ガチョウが兄君ガチョウに対し
また優勢な姿勢を示すようになったのです。

・・・父君ガチョウの中では
自分の背後にいるのは母ガチョウ1羽のみ、
対する兄君の後ろに控えるは
若ガチョウ2羽とゴミバケツ1個の総数3個体、
くらいの理解であったのだろうか・・・

あのガチョウ、苦手なのは
算数だけではなかったという話なのかしら・・・

ともあれ雄2羽が元気に喧嘩を繰り広げる
今日この頃ではありますが、一時期ほどの
『血を見るほどの本気っぷり』は現在なく、
なんのかんので5羽なかよく庭先を
ぶらついている時もある
2016年節分の日でございます。


一方父ガチョウが若ガチョウ1羽を
時々つつきまわしている場面を
私も夫も目撃していて、
あれが『強い雄』による『弱い雄』への
示威行動だったらどうしよう・・・

「イースターに若ガチョウの
丸焼きというのもいいですよね」

・・・夫よ・・・

でもあの若ガチョウが雄ならば
本来なら兄君ガチョウがもっと
攻撃的な態度をとらんといかんのよ

私としてはあの子が『運命の相手をまだ
決められない女の子』であって欲しいです
(そしてその『運命の相手』は絶対的に
兄君ガチョウでなくてはいかん、ここは譲れぬ)

そろそろガチョウたまごの時期、
どうか『巣』が3つ作られることを願いつつの
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