海外出張中のわが夫(英国人)は

仕事の合間に以前から憧れていた

『魅惑のカナダ辺境カヤッキング・

ツアー(5日間)』に同僚と参加しました。

 

「妻である君を抜きに国外で

そんな楽しみを享受できませんよ」

と当初は渋っていた夫でございますが

「正直な話、私は5日間連続の

カヤッキングに夢も興味も抱いていない。

誘われたらむしろお断りしたい。

カナダなんて遠くてなかなか行けないだろう。

こんな素晴らしい機会はまたとないではないか。

行って来い、遠慮は無用、むしろ

行ってくださいとお願いしたいくらいだ」

 

そうですか、僕には罪悪感があるんですが

君がそうまで言ってくれるなら、と

遠慮がちにツアー参加を申し込んだ夫は

その後嬉々として防水カメラを購入

(注:そんな話は聞いていない)、

荷造りも鼻歌交じりで楽しそうなことこの上なし。

 

「妻ちゃん、旅行会社から渡された

『準備すべき荷物一覧』に

『虫刺され薬』があるんですが、

この間君のご両親が遊びにいらした際に

置き土産にしてくれたあの日本製の

驚異の塗り薬(ムヒ)を

僕は持って行っていいですか」

 

 

 

 

「快く持って行かせてあげたいところだが

君の出張中、私もムヒが必要だ。

晴れていて風のある日は

庭仕事をするつもりだからな」

 

「そうですか・・・そうですね、

なら僕は英国製の軟膏を持って行きます。

これ、効くかなあ・・・ムヒなら絶対

効果がある確信があるのになあ・・・

でも僕は遊び、君は仕事ですものね」

 

私はそっと夫にムヒを渡しました・・・

 

カヤック・ツアーは楽しかったそうでございます。

 

5日間のキャンプ生活を満喫し

ホテルに戻った夫から電話があり

「本当に素晴らしい経験でしたよ!」

 

「熊に抱きつかれたり

シャチに齧られたりしなくて何よりだ」

 

「その代り虫にはかなり噛まれましたけどね。

おかげさまで持ってきたムヒ、大活躍です。

同僚やツアーガイドにも貸してあげたんですけど

もうあの二人ったら遠慮なく塗りまくるんです、

まあその気持ちは僕もわかるんですけどね」

 

「そうか、ムヒ、効いたか」

 

「二人とも『ムヒ依存症』になったらしいですよ。

こんな爽快感、今まで経験したことがないって」

 

「すごいなあ、ムヒ」

 

「あ、それでですね、この薬、

カナダでも買えるんでしょうか。

いえ、ガイドさんがこれを買いたいって。

こんなによく効く虫刺され薬、

これまで手にしたことがないそうで、

本気で質問されたんですけど」

 

池田模範堂はネイチャー路線で

欧米市場への展開を狙うべきかと思われます。

 

 

調べたら『ムヒ』、英国でもカナダでも

amazonで購入できるみたいです

 

なおムヒなしで庭仕事を決行した

私のお顔は今ポコポコ

 

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