猫のことをよく知らない

わが母(イメージ武将:豊臣秀吉)

ではございますが

猫以外のことも実は知っているようで

あまり知らないのではないかという話。

 

それは風邪を引いて寝込んだわが父

(イメージ武将:石田三成)が

母の心のこもった看病を鬱陶しがり

寝室に籠城した日のこと。

 

ベッド周辺接近禁止を申し入れられ

憮然とする母に同情した私が

「お母さん、お茶でも飲んでお喋りしますか」

 

「いいの!別にいいの!アナタだって

仕事とか家事とかやることあるんでしょ、

そっちを優先して頂戴、お母さんは

ひとりで時間が潰せるからいいの!」

 

・・・あ、これは相当拗ねている。

 

そんな母に猫をあてがい

(猫はこういう時『いい仕事』をしますね)

私は隣の部屋で

メールの確認をしておりましたら

しばしの静寂の後に母が慌てた声で

「Norizo!大変!庭に変な鳥がいて

どうやらガチョウのヒナを狙っているみたい!」

 

「変な鳥?」

 

「今、暇だったから窓の外を眺めて

ガチョウの数を数えていたんだけど。

灰色の奇妙な鳥が何羽か

ガチョウのヒナたちのことを

じっと見つめながら取り巻いているの!

あれはヒナのことを食べる気よ!」

 

ガチョウのヒナを狙う鳥?

 

猛禽の一種?

 

しかしここらに現れる猛禽は

基本的に茶色、ということは新種?

 

しかも集団でガチョウを囲い込む?

 

そんな知能の高い鳥がここらへんに・・・?

 

驚きのあまり動きが止まった

私を急き立てるように

母の声は怯えの色を増し

「ちょっと!Norizo、早く来て!

灰色の鳥がどんどん増えているわ、

お母さんあんな鳥見たことないわ!」

 

そこで私も慌てて母の元に駆け寄り

「お母さん、どこ、

どこにそんな変な鳥がいるの?」

 

「ほら、あそこよ、ガチョウが集団で

草を食べているでしょ、その周囲に

ガチョウを取り囲むように灰色の鳥が

4・・・5・・・8羽はいるわ!」

 

なるほど、母が指差す先には

兄君の率いるガチョウ集団総勢10羽が

忍び寄る危険にも気づかず

呑気にモリモリ草を食べておりまして、

そしてその周辺に灰色の鳥が複数・・・

 

「お母さん。あれはです」

 

「あの変な鳥、じわじわガチョウに

近づいているのよ・・・えっ、何ですって?」

 

「鳩です。あの灰色の鳥は鳩。

平和の象徴。特に危険はなし。

そもそもガチョウのヒナよりも小さいでしょ」

 

「・・・鳩ってあんな色だった?」

 

「あんな色です。まあ東京で

見かける鳩よりはここらへんの鳩は

ひとまわり大きいかもしれないですけど、

でも鳩です。ガチョウたちを取り囲んで

狩ろうとしているのではなく、そのそばで

一緒に餌を探しているだけの

平和な光景です、これは」

 

「あら。お母さんはてっきりガチョウが

悪い鳥に狙われているんだと思って・・・」

 

「まあ心配なら外に見に出ましょうか。

私たちが姿を見せれば鳩はどこかに

飛んで逃げていくでしょうし。

それでついでにそこらを散歩しましょう」

 

「あら、そう?そうね、三成さんも

お昼まで目は覚まさないでしょうしね、

じゃあお外をお散歩しましょうか、

せっかくNorizoがそう言ってくれたんだし」

 

 

私と母はその後仲良く庭を歩き

ガチョウ社会の安全を守ったのでありました。

 

めでたしめでたし。

 

 

わが父母のスコットランド訪問ネタは

これにて一区切りの予定でございます

 

今回父母は電車でこっちに来たため

「お土産が無くて悪いんだけど、

よかったらこれ使って、置いていくから」

といただいた『使いかけグッズ』のうち

わが夫(英国人)が大感激したのが

某虫刺され薬『液体ムヒ』

 

 

 

「何これ!すごい!すごくスーッとする!

そして痒みが消える!素晴らしい!

かつて経験したことのない即効性の効果です!

何故この薬が英国で発売されていないんだ、

ミッジ(ヌカカ)に悩む我々には

このような薬こそが真に必要であるのに!」

 

・・・というわけで、そろそろ夏も

終わりに近づいてはおりますが

この夏英国北部、湖水地方や

ハイランドの湿地帯をご観光予定の皆様、

虫刺されには、ムヒが効く!間違いなく!

というわが夫からの伝言でございます

 

ありがとう、液体ムヒ!

一刻もはやく英国進出を、池田模範堂!

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