そんなわけで週末に

我が家に遊びにいらした

わが夫(英国人)の父と弟、

すなわちわが義父と義弟その1。

 

到着と同時にお茶が飲みたい、

とのお話だったので前もって

お湯を沸かしておいたところ

「もし迷惑でなければ

お茶でなくコーヒーをいただけるかな」

 

まあ迷惑なんてとんでもない、

お茶にしろコーヒーにしろ

作ってお出しするのはわが夫ですから。

 

義父のコーヒーの好みはわが夫と同じで

温めたカップに温めた牛乳を入れ

それを熱いコーヒーで割る、というもの。

 

 

というわけでまずはコーヒー、

次に昼食をお出しし食後には

「今度は紅茶をお願いしたい」

とのことなので紅茶をお入れし、

「もうひとつお願いがあるんだが、

車に魔法瓶がある。それに

コーヒーを入れてもらえないか」

 

「ええ、もちろん」

 

「よかった、魔法瓶は3つある。

1つにはホットミルクを、もう1つの

赤い魔法瓶に濃いコーヒーを、

そして青い魔法瓶には

薄目のコーヒーを入れてくれたまえ」

 

「はい、わかりました」

 

義父は味にこだわる殿方なのです。

 

まあコーヒーも牛乳も

準備するのはわが夫ですから。

 

「牛乳やらコーヒーやらを入れる前に

魔法瓶はちゃんと洗ってくれたまえ」

 

「はい、それはもう」

 

「上の蓋の部分もちゃんと

洗ってもらえるだろうか」

 

「当然でしょう」

 

「洗い終わったあと水を切って、

そしてそれらに温かい牛乳や

コーヒーを入れる前には

ちゃんと熱湯で魔法瓶の内側の

熱を高めるのを忘れないように」

 

「美は細部に宿りますからね。

じゃあ夫よ、君のお父様が仰るとおりに

ちゃんとコーヒーと

ホットミルクを作ってくれたまえよ」

 

「・・・父さん、コーヒーやらホットミルクやらを

作るのは構わないけど、何なのその

『濃いコーヒー』と『薄目のコーヒー』って」

 

「息子よ、いいか、これから

私はまた長距離を運転する、

そこでふと疲れを感じ眠気に襲われる、

そういう時に魔法瓶の中に・・・」

 

「夫よ、そんなことはどうでもよかろう、

お父様がそうお望みなんだ、

その通りにコーヒーを作りたまえ、

それが孝行の道というものであろうよ」

 

 

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こんなことを言ってはおりますが

私は私でちゃんと夫の手伝いをしてあげました。

 

いえ、何か『薄目のコーヒー』を

どう作るかに迷っていた様子だったので

「同じコーヒーを2つの魔法瓶に入れてだ、

片方にお湯を後から足せばいいんだよ」

 

 

「・・・僕の父って本当に

注文が多いというか

要求過多なところがありますよね」

 

 

「目上の方にそんなことを言っては駄目だろ。

私はお義父様のこだわりは好きだぞ。

私が対応しなくていいぶんはな。

そういうわけで頑張れよ実の息子殿」

 

どうやら私は悪妻への道だけでなく

非道の嫁路線も進み始めている模様。

 

義父と義弟はコーヒー(2種類)と

ホットミルクの詰まった魔法瓶とともに

イングランドに帰って行きました。

 

めでたしめでたし。

 

 

前回の記事もそうでしたが

今回もそれなりに

行間を読んでいただけるとありがたい

 

つまりね、コーヒーひとつに

話を絞ってこれ、ということでございます

 

義父と義弟の乗った車が

見えなくなった時の夫の一言

「ついでにね、僕の父がさっき僕に

こっそり何て言ったと思います、

『お前の家に寄らなければ

2時間早く自宅に戻れたが

お前とNorizoのために

私は100キロ迂回してわざわざ

ここに来てやった』ですって!

どういう父ですか、あの人は!」

 

「私にそう言わない辺り

お義父様もやはり嫁に対して

それなりに気遣いを忘れて

いらっしゃらないということだろうな」

 

お義父様、お元気そうで何よりです

 

嫁への配慮を忘れないあなたも

義父への尊敬を欠かさないあなたも

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