スコットランド及び英国では

スーパーのレジなどで

お客とお店の人が向き合った場合

まず挨拶を交わし(『こんにちは』)

次に相手の健康状態を尋ね

(『お元気ですか?』)

天候について意見を交わし

(『今日は晴れていますねえ』)

ついでに世間話もしちゃいます

(『今日これから何か予定あるの?』)。

 

 

これはもう『そういうもの』なのだそうです。

 

日本においてはこういう時に

お店の人とお客の双方に求められるものは

迅速な品さばき及び遅滞のない支払いで

そこに雑談が介入するはないわけですが

しかしもう郷に入っては郷に従え。

 

自分の後ろに列ができていようが

夕方の込み合っている時間帯であろうが

レジ係が話を続けている限りは

笑顔でそれに付き合うのがお客の礼儀。

 

日本における英国および

英国人のイメージの一つに

『あまりフレンドリーではない』が

あるかと思うんですが

(ほら、『トランスフォーマー』でいうと

ジャズさんじゃなくてプロールさんな感じ?)

『ほら』と言われても、と困惑する人多数)

案外変なところに日本でいうところの

『下町人情』っぽい気風があるというか。

 

 

 

 

 

 

私は東京のスーパーの

「いらっしゃーませー(裏声)」の棒読みと

高速袋詰めサービスも好きですが

英国のこの妙にのんびりした

人懐っこい接客術も嫌いじゃありません。

 

こういう『親しげな雑談』は

洋服屋さんや図書館の受付などでも

求められることが多いです

(飲食店や病院ではそういうことはない)

(あ、飲食店は『お店によりけり』かも)。

 

さて先日わが夫(英国人)が仕事場で

他部署に資料をもらいに行った時のこと。

 

そういう場合私であったら

「Norizoです、お願いした資料を

いただきにまいりました・・・

はい、確かに、ありがとうございます。

お忙しいところ失礼しました」

みたいに言葉を最低限に抑え

向こう様のお時間を

必要以上に使わせないように

気を配ると思うのですが

夫に言わせるとこういう時もやはり

奨励されるビジネスマナーとしては

冒頭で友好的な世間話を

交わさねばならぬものであるらしく

「つまりこう、向こうの部屋に入って

担当者の机の前に立って

『こんにちは、いい天気ですね、

お元気ですか?』みたいに最初にまず

ちゃんと挨拶をすべきなんですよ」

 

「なるほど。私は『こんにちは』は

礼儀として外さないと思うが

『良いお天気ですね』と『お元気ですか』は

よかれと思って省略してしまいそうだ。

今後機会があったら気をつけようと思う」

 

「絶対に気を付けたほうがいいですよ。

これは日本でいうところの

『挨拶の時にちゃんとお辞儀が出来るか』

みたいな話ですから」

 

「会話冒頭でいかに気さくな雰囲気

構築できるか、が決め手なわけだな」

 

「・・・でも今日僕があった人は

ちょっと気さく過ぎた気もするんですよね」

 

『お元気ですか』という

問いに対する答えは

『はい、元気です』が一般的。

 

この日の夫の仕事相手も

「お元気ですか」の問いかけに

「ええ、元気ですよ」と素直に答え、

では、とそこで夫が

仕事の話に入ろうとしたところ

相手は妙に明るい笑顔とともに

「今日は元気!いい気分!最高!

実は昨日まで4日連続で

私は何故か気落ちしていてね、

気落ちっていうか、自分で言うのも何だけど

ものすごく不機嫌でイライラしていて、

でも今日は超ご機嫌!アーハハハハ!

これって朝の私のコーヒーに同僚が

何かを入れたんだと思う?」

 

予想外の問いかけに

夫はうまく反応することが出来なかったと

その後一人で反省しておりました。

 

しかしこれ、どう答えるのが

正しい職場のマナーなんでしょうね。

 

1.「きっと規定量の倍くらい

入れられたんでしょうねえ」と話を合わせる

(後日同僚諸氏から

名誉棄損で訴えられる危険性アリ)

 

2.「そんなことあり得ませんよ」と

真面目に相手を否定する

(冗談のわからない人間だと

後ろ指を指される可能性高シ)

 

3.「さて仕事の件ですが」と

ひたすらクールに要件に入る

(夫はこのように対応したらしい)

 

社交術、それは永遠のいばら道。

 

『人当たりのいい人』との

評判をとる日を夢見て今日も精進です。

 

 

ご機嫌なあなたも

憂鬱な貴方も

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