今月上旬に実施された東京都議選で

自民党が歴史的敗北を喫した理由

世間は色々と取沙汰しておりましたが

私はその理由のひとつに

『豊田議員の暴言』が含まれることには

当初違和感を抱いておりました。

 

私の中では都議選の結果は

あくまでも国ではなく都の問題で

『都政をこれまで牛耳ってきた(イメージの)

最大会派である自民党vs

新進(イメージの)小池知事派』の戦い、

五輪問題やら築地市場問題やらを経て

都民の間に広がった

「おいおい、今まで都議会は

何をやっていたんだ」の思いが

このような結果になっただけであり

これを『安倍自民への不満』と

解釈してしまうのは違うのではないか、と。

 

そもそも豊田議員の暴言についても

私はこれを『書き言葉』ニュースで

把握していただけでして

わが脳内の事件の経過は以下の通り:

 

「豊田衆院議員が吐いた暴言

(例『このハゲ!』)を

秘書が録音し公表した」

 

「直後に自民党の河村元官房長官が

『録音して持ち込むなんてありえない』

『(豊田議員が)かわいそうだ。

男性の衆院議員ならあんなの

いっぱいいる』と発言

 

・・・この河村発言は近いうちに

訂正・謝罪が入るだろうな、と思っていたら

その読み通り本人が速やかに発言撤回

 

なお豊田氏は離党届を出し入院。

 

「ある意味非常に安定した

『いつものパターン』だ。

議員が暴言を吐き火種が出来たところに

それを身内がかばって火に油、

身内は発言を撤回

本人は入院という名の雲隠れ、

メディアは面白おかしくこれを報じて

問題の根源がどこにあるかは皆で忘れる」

 

私もこのようにわが夫(英国人)に

説明していたのですが

本日ちょっと早起きをした私はふと

その問題のそもそもの核心である

『豊田議員の音声』を

ネットで聞いてみることにしました。

 

我が家のネット環境は非常に脆弱で

普段ですとYoutube動画など

再生することができないのですが

朝の5時6時頃だと案外スムースに

閲覧が可能となることがあるのです。

 

『豊田議員 暴言』で動画検索、

速やかに再生ボタンをクリック。

 

 

・・・

 

※写真はイメージというか何というか

 

これは・・・

 

これは『面白おかしく』

取り扱ってはいけない案件だ・・・

 

豊田議員が秘書に対してなした行為は

確かに断罪されるべきではありますが

それ以前にこれ、豊田議員、この方、

明らかに『専門家による加療』が

必要な状態じゃないですか。

 

私は権力者や『偉い人』を

笑いの種にするのは好きですけど

『病気の人』のことは

嗤いたくないんです。

 

まあ私ももう少し若かったら

(さらりと書いて自分で傷ついた)

この豊田議員の物真似を

酒の席で披露して笑いを

取っていたかもしれませんけど

・・・でも豊田議員の物真似をして

この件を茶化す人の心の根底にあるのは

『恐怖』だと思います、絶対。

 

これだけ優れた能力を持ち

責任ある立場にあっても

人は何かの拍子にこれだけ壊れるのか、

これだけ壊れた人が責任ある立場につき

多大なる権力を把握することが

21世紀の現在、先進国、

我が国においてもあり得るのか、と

そんな恐ろしいことを直視するくらいなら

あのデス・ヴォイスの凄まじさに

話題の中心を持って行った方が

 

ともあれ。

 

そんなわけで彼女の音声を聞いて

私は改めてこの『豊田議員の暴言問題』と

『都議会選挙の結果』について考えました。

 

・・・うん、これは影響があったかもしれない。

 

でも私としては

豊田議員の暴言そのものよりも

それを受けての河村元官房長官の

あの発言のほうが責任は重いと思うのです。

 

だって河村さんはあの時点で

あの音声を聞いていたんでしょ?

 

聞いたうえで

「あんなのいっぱいいる」と

言っちゃったんでしょ?

 

つまりこの河村発言から推察できるのは:

 

1.自民党の議員にはあんなのがたくさんいる

 

2.そうした議員から理不尽な罵倒を

日夜受けている自民党秘書はたくさんいる

 

3.自民党はそうした労働環境を当然と思っている

 

さすが自民党、

『ブラック企業といえばここ!』な

会社組織の創業者を選挙の公認候補に

しただけのことはありますよね。

 

労働環境の改善は常に選挙の争点ですが

自民党の考える理想の労働環境って

いったいどんなものなのかしら。

 

権力者(政治家)はちやほやされ

格下の者(秘書)に人権はない、みたいな?

 

ま、これは嫌味というか冗談で

あの人たちはそんなこと

「自分には無関係」

「あくまでも選挙時のリップサービス」

くらいに考えているんでしょうか。

 

さらにこれに加えてあの

「録音して持ち込むなんてありえない」発言、

これはもう明らかに録音音源が無ければ

「政治家だって口を滑らすことはありますよ。

人の見た目をどうこう言うのは

褒められたことじゃないけど

身内の会話の中でのそういう言葉のあやを

いちいち指摘されてもねえ」と

豊田議員は身内の皆様にしっかり

かばわれていたのだろうな、と。

 

それを見越した上での必死の思いでの

音声録音であることが何故わからないのか。

自民党の議員にとって

第一なのは『身内議員(いわば

都民ファーストならぬ自民ファースト)』で

弱者に寄り添う視点はそこにはないのか。

 

これは自民党株大暴落ですよね。

 

そしてこうした背景がありながら

自民党票が民進党に流れなかった、というのは

既成政党に対する有権者の不信の

あらわれなのであろうな、と思います。

 

今の民進党の不人気の原因は

「政策論争をしようとしない」点にあることを

どうして当事者は理解しようとしないのか。

 

まさか本当にアレなの?

政策論争を『しない』んじゃなくて

『出来ない』レベルなの?

 

というわけで大衆は民進党からも離れ

結果として都民ファーストの会大勝利。

 

しかしここの所属議員たちも

立場の基本にあるのは

『都民ファースト:都民のことを第一に

考えます(理想に燃えて)』というより

『小池ファースト:小池知事のことを第一に

行動します(実利を求めて)』であるように

私の目には映るのです。

 

豊田議員の声を聞いて

あらためて私は都議会選挙の

不毛さに気付いたのでした。

 

 

女性に対し『優しい』のと『甘い』のは

まったくの別物である、ということを

男性政治家の皆様はもっと理解すべき

 

『優しい』は女性票を得ますけど

『甘い』は受けませんぞ

 

(いなだぼーえーだいじん、に対する

首相サイドの対応も明らかに

『優しい』と『甘い』を

はき違えてしまっていると思う)

 

さてそんなわけで

自分が自民党の政治家(中年男性)だとして

豊田議員のあの音声について

報道関係者にコメントを求められた場合

どう発言するのが

自分と党と社会に対して利となるのか

 

「豊田議員は非常に責任感の強い方で、

たぶん思いつめすぎてしまったんでしょうね・・・

あれは私の知っている豊田さんじゃありません、

普通の時の豊田さんじゃありませんよ」

と『いい人』っぽく身内をかばいつつも

『あれは病気の言わせたこと』と匂わせ

「ああ、彼女は入院したんですか、よかった、

絶対に治療が必要な状態ですものねえ」

と『心の問題に詳しく、かつ

現代医療を信頼する自分』をアピール、

「ただあの暴言は許される内容ではありません。

秘書もこの件を公にするにはとても勇気が

いったことだと思います。個人的にはもっと

他の方法で、とも思いますが、彼も彼で

追い詰められてしまったんでしょうね」

と秘書の立場もフォロー、そしてすかさず

「これが氷山の一角ではないことを祈ります、

が、これからもこうした問題が

表面化する可能性はゼロではないと思います。

自民党、他の政党、政治の世界だけでなく、

たとえば新聞社やテレビ局、一般の会社でも

パワハラ、セクハラ、そうしたものは存在している。

そうした問題の告発者を守り、

解決に勇気を持って取り組むことを支援し、

よりよい労働環境を確立する、それを

安倍総理率いる自民党は目指すのです!」

 

あら、これ、ハナマル回答じゃなくて?

 

 

しかし考えれば考えるほど

国会議員秘書って大変な仕事ですよね

 

労働組合もないでしょうし

労基に逃げ込んでもそれこそ

「議員の先生第一」で

適当にあしらわれそうですし

 

自民党はまず隗より始めよで党内に

『パワハラ相談室』を作るといいのでは

・・・相談室を利用した秘書は

問答無用にクビになりそうですけどね

 

その一方民進党は

「政策ファースト」を目指すべき

 

都政はね、私はこれ小池知事にとって

弱い味方は強い敵より怖い、な結果に

なってしまうのではないかと

 

豊田議員にはまず第一に

治療に専念していただきたい

 

というわけで久々に政治ネタ、

それも明らかに旬を逸した内容でした

 

おつきあいいただきまして

まことにありがとうございました

 

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