先日、車を運転していて

夕方のニュースの時間だわ、と

ラジオのスイッチを入れたところ

スピーカーから突然

『おっぱい(tits)』だの

『マスターベーション』だのの

言葉が飛び出してきて

心底慌てた私です。

 

チューニングを合わせた先が

BBCのラジオ1

(若者向け軽薄路線)ならともかく

ラジオ4(硬派・生真面目・

大真面目路線)でこれ、

何事かと思ったら例のハリウッドの

セクハラ大物プロデューサー

ワインスタイン氏に関する特集でした。

 

ワインスタイン氏がその権力を利用して

多くの女優に性的行為を

強要していたというこのニュース。

 

米紙ニューヨーク・タイムズが今月

このスクープを飛ばした、その以前から

ワインスタイン氏の問題行動のことは

知っていた、とする女性が

BBCのインタビューを受けていて

彼女自身は直接被害を受けていないが

他の女性がワインスタイン氏に

性的な嫌がらせを受けていることには

気づいていた、とするこの女性に

BBCのレポーターが

「で、その時あなたは何かしようとは

思わなかったんですか?」

 

「何かってどういうことですか?

その女性が性的行為を強要された、と

私が明らかにすべきだった、ということですか?

でもそうしたら彼女は多くのものを失うでしょう?

それとも報道機関にこのことを

話せばよかったとでも?でも当時、

どのメディアもワインスタイン氏の

こうした問題を報道したい姿勢は

見せていませんでした。そうでしょう?

私にできたのはワインスタイン氏と

若い女性を二人だけにしないよう

気を付ける事だけでした。

そして若い女性たちに

彼に気を付けるよう伝える事だけでした」

 

ワインスタイン氏の問題行動に関して

英国メディアは現在非常に熱心に報じています。

 

これとは別のニュース番組で

『識者』がこの件に関し

それぞれの意見をぶつけあうのも

やはり車を運転しながら私は聞いたのですが

討論の最後のほうで男性発言者が

「・・・何が嫌だってこの問題が

被害女性側を非難する形で

語られることほど嫌なことはありませんね」

 

これに他の発言者が

「誰も被害女性を非難なんてしていませんよ!」

 

「していますよ!今日のこの討論会でも

『ワインスタイン氏の性的行為強要を

受け入れることで女性は利益を得て・・・』

とか言っていたじゃないですか、それは

被害女性に対する侮辱ですよ!」

 

ここで女性発言者が

「侮辱じゃありません、事実を述べただけです!

良い地位や役柄を貰えるから一部の女性は

性的行為を受け入れたわけでしょう!」

 

・・・これはすごい討論だ、と。

 

ところで私としては

ワインスタイン氏は氷山の一角、という

認識ではあるのですが

世の報道関係者はこの問題を

どこまで掘り下げたいと

考えているのでしょうか。

 

願わくば被害者側の女性の名誉が

傷つけられない形での

真相の究明を願いたいものです。

 

いえ、本当に。

 

 

本日の記事、ラジオのニュース部分は

耳で聞いて記憶した内容を

そのまま日本語にしておりますので

普段以上に意訳が

入ってしまっていると思います、

ご容赦ください

 

さて『キャスティング・カウチ』だの

『枕営業』だのの言葉が

すでに存在しているということは

我々の社会はこうした悪習(ですよね?)の

存在にすでに気づいていたわけで

 

今回この問題を告発した女性たちの勇気と

そうした女性たちから話を引き出すことに

成功したニューヨーク・タイムズには

心から賞賛を送りたいと思います

 

これを機に米国では今後多くの

『実はこの人も』報道が続くかと思いますが

そして英国メディアも

その流れに乗ると思いますが

・・・日本の芸能・メディア界は

たぶん『乗らない』気がします

 

「そういう問題はあるよね、

みんな知っているよね、

みんな知っていることは

報道しなくても別にいいよね」

みたいな感じになるのではないかと

 

『芸能と売買春は

常に密接に関係している』は

民俗学的には正しいかもしれませんが

21世紀の現代においても

それで済ませちゃっていいのかしら?

というのが私の純粋な疑問でございます

 

倫理基準も時代とともに変わりますしね

 

ハリウッドはここで変革するんでしょうか

 

ワインスタイン問題の今後に注目しつつ

1クリックをお願いします

人気ブログランキングへ

 

 

告発の行方 [DVD] 告発の行方 [DVD]
1,543円
Amazon