皆様、昨日の記事には

温かいコメントの数々

本当にありがとうございました。

 

先日息を引き取った

茶雌鶏夫人の傍に

閣下は現在眠っております。

 

わが夫(英国人)は閣下のため

とても大きな穴を掘ったんですが

それでも最初は閣下の爪が

穴の途中に引っかかってしまい。

 

これまで何度もニワトリを埋葬してきましたが

やはり雄鶏は雌鶏に比べ体格がいいのと

あと、閣下はですね、最期の瞬間

背をぐっとお反らせになって

翼を開いていてですね

・・・普通鳥類というのは死に際して

丸くなるかぐったりと体を伸ばすかの二択で、

閣下御自身も寸前までは鶏小屋の藁の上に

身を素直に横たえていらしたのに

これはいったいどういうことか、と

冷たく硬くなったご遺骸を抱えたところ、

閣下はこと切れる間際に雄鶏のあの

己の魅力と力を最大限に誇示する

『翼を開いて胸を突き出し

顎をあげる』ポーズを床の上で

取ったみたいなんですよ。

 

だからかさばってしまって・・・

 

というか閣下、何故また

最後の最後にそんな・・・

 

「最期の瞬間まで

ドラマティックな男でしたね、閣下は」

という夫の言葉に深く頷いた私です。

 

雄々しい御遺体でした。

 

まあそれでも私も夫も

近々このような日が来ることは

夏頃から予感はしていたのです。

 

それこそ茶雌鶏夫人が

まだお元気な時から

夫は言っていたものです、

「もし我が家のニワトリの数がこの冬に

減るようなことがあっても、しばらくは

新しい子を迎えるのは止めておきましょう。

たまごのことだけを考えれば

メンドリ2羽で我々には十分です。

餌代も馬鹿になりませんしね。

だいたい繁殖目的ではないんですから

雄鶏はそもそも必要ないんです、我が家には」

 

それはそうかもしれんよね・・・

 

しばらくは閣下の喪に服して

メンドリ2羽だけを飼っていこうか・・・

 

そう自分を納得させていた時が

私にもありました・・・

 

閣下を埋葬した日の午後、

私は外出する用がありまして、

夕闇が迫る中帰宅したところを

迎えてくれたわが夫の第一声。

 

「ネットを調べてみたんですけど、

やはり今の時期、雄鶏は

売りに出されていないんですよ」

 

「・・・何の話だ?」

 

「閣下の二代目をお迎えするなら

やはり初代閣下と同じ品種の

ニワトリがいいでしょう?

品種名『ウェルサマー(Welsummer)』。

でも今は若鳥が市場に出る

時期じゃないんですよね」

 

「ちょっと待ってくれ。しばらくの間

ニワトリは2羽体勢で行こう、

追加の雌鶏投入は待とう、

なんなら雄鶏はなしで行こう、というのが

君のそもそもの考えてはなかったのか?」

 

「・・・そうだったんですけど、

僕、考えを変えたんです」

 

「・・・」

 

「君は出かけていたから

見ていないんですよ!

閣下に残された雌鶏2羽が

どれだけ不安そうだったか!

あの子達には雄鶏が必要なんです!

・・・もちろんこれは僕が勝手に

僕の悲しみを雌鶏に投影している

だけの話かもしれませんけど!」

 

閣下の偉大さを

身に染みて実感する我々です。

 

 

しかし二代目をお迎えするにしても

初代閣下ほど立派な雄鶏が

やって来てくれる確証はどこにもないという・・・

 

昨晩夫と計算してみたんですが

閣下は少なく見積もっても

御年10歳以上であられた模様です

 

「雄鶏の多くはヒヨコになった瞬間に

雄とわかると冷凍されて蛇の餌になりますし、

雌鶏でも産卵のピークを過ぎる4年目あたりで

多くはお肉にされますし、それを考えると

英国生まれの現代の雄鶏としては

閣下は本当にいい生涯を送ったと思いますよ」

 

こういう勝手なことを言って

人間どもは己の心を慰めるのです

 

さあ、本日で10月も終わりです

 

閣下のぶんも猫や雌鶏に

優しくしながらの年越しを目指しますぞ!

 

閣下を愛したあなたも

これからは雌鶏にその愛を向けたいあなたも

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