「そんなことをする子は、うちの子じゃない!」
と、子どもの不安をあおる叱り方は、子どもの心を傷つけ、子どもの心の成長を害する叱り方―― 第310話 は、そんな話でした。
では、どんな叱り方をすればいいのでしょうか?
「ダメなものはダメ」と教えることは、大事です。
たとえば……
・弟からおもちゃを取って、弟を泣かせた
・お店で、お菓子を手にとり「ほしい」といって動かない
・「まだ遊ぶぅ」と言って、いつまでも帰ろうとしない
これは「ダメ」ですよね(笑)
では、何が「ダメ」なんでしょう?
たとえば、「弟からおもちゃを取って、弟を泣かせた」であれば、「弟が持っているおもちゃであそびたい」と思うことは、ダメなことではありません。
だからといって、そのおもちゃを弟から取るのは、「ダメ」ですよね。
ということは、「○○したい」「○○がほしい」という気持ち(意欲)は認めて、「でも、△△しちゃダメなんだよ」と言えばいいということになります。
この時、子どもの心には、「したいことができない」という悲しい気持ちに加えて、「ママは、自分より弟の方が好きなんだ」とか「ダメなことをしたので、ママに嫌われる」いう不安が生まれます。
「そんなことをする子は、うちの子じゃない!」と言われていなくても、「見捨てられる不安」を感じてしまうのです。
子どもにとっては、「したいことができない悲しさ」より、「見捨てられる不安」の方が何十倍も怖いことなので、よけいに激しく泣き出してしまいます。
ですから「だからといって、おまえのことを嫌いなわけじゃないよ」が伝わることが、叱るうえでのポイントの一つになります。
叱り方のポイントをまとめると、次のようになります。
① 気持ちは認める
「したい」「ほしい」「したくない」といった、気持ちを認めてやる。
② ダメなものはダメ
「でもその通りできないこともある」「その通りしちゃいけないこともある」と、伝える。
③ 大好きだよ
「ダメなことをしたからといって、おまえのことを嫌いなわけじゃないよ」「大好きだよ」を伝える。
たとえば、つぎのような言い方なら、この3つのポイントを全部含んでいます。
「そうか、○○くんは、まだ遊びたいんだよね。ママも、○○くんのこと、大好きだから、もっと遊ばせてあげたいの。ずっと遊べたら、どんなにいいかなって思うよ。でもね、△△だから、もう帰らないといけないんだよ」
必ずしも、子どもが納得するまで待つ必要はありません。そう伝えた上で、おもちゃを取り上げたり、強制終了してもいいと思うのです。子どもは、「見捨てられる不安」がないので、すぐに泣き止みます。親のストレスも少なくてすみます。
遊びたくて弟からおもちゃを取ったなら、「遊びたい」という気持ちを認めてやればいいのですが、どう見ても、「いじわる」をしている場合があります。
そんなときでも、「いじわるな気持ち」を認めてやるのでしょうか?
( 『第312話)「いじわる」をどう叱るか?』 へつづく)
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