12.31.2008

サンザン亭一番弟子! 「落語娘」



女落語家の話なんて面白いだろ?と、 企画サイドだけで盛り上がる "楽屋落ち" を感じなくもないが、 それでもミムラの一本気な演技、 津川の女好きでいいかげんな師匠ぶり、 そしてラスト近くのタンカと見せ場は豊富。

そう言えば女落語家って聞いたことないな。 落語の世界は '由緒正しく' 男尊女卑で、 女の板前がいないように女の噺家も存在してはならない。 弟子入りを志願して訪ねた師匠の口から、 そんな言葉を聞かされ門前払い。 拾ってくれたのは、 はみ出し者の "三々(サンザン)亭" ただ一人。 入門したのはいいが、 この師匠は稽古もつけてくれず、 ギャラ優先でテレビの仕事をしてはソープに通うような男で、 落語協会もこの男の排除を計画していた。

"人を喜ばせるのに高尚もへったくれもない" との哲学を持つハンパ師匠は、 テレビ局の企画に乗って禁断の噺を開封する。 これまでにその噺をした者は結末まで話し切れずに、 ことごとく非業の死を遂げたとされる、 いわく付きのネタ。 番組は "禁断の口演まであと○日" とカウントダウンを開始する・・

女人禁制の落語界と対照的に、 このテレビの企画を仕掛けるのは女プロデューサー。 芸、 あるいはエンタテイメントの変遷を示唆すると同時に、 一本気な女落語家との好コントラストになっている。 当ブログ2008年最後のエントリーは、 落語という古典的な世界の内幕を切り取り、 怪談やサスペンス風味を取り込みながら、 爽やかな結末へと導く佳作であった。


落語娘 (2008) 公式サイト&予告編 
監督 中原俊 原作 永田俊也 
ミムラ 津川雅彦 益岡徹 伊藤かずえ 
落語娘 [DVD][DVD]

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