5.22.2010

Final Cut Pro使いの古風な女監督
「冒険してもいいコロ!」



きちんと調べたわけではないが、 女性監督が増えた気がする。 本作も女性監督なのだが、 かといって一昔前のように肩肘張ったフェミニズムではなく、 いい意味でマイペースに撮る女監督が進出してきたように思える。

どことなく古風で可愛い邦題が付いている。 原題 "幸せを探して" とはニュアンスが異なるが許せる範囲。 物語の主人公もNY大学映画科を主席で卒業したての女監督志望者だが、 やはりどことなく古風。 恐らくは監督本人の経験から生まれたシナリオなのだろう。 成績優秀でも就職先はみつからず、 そりゃそうだ、 いきなりゲイリー・マーシャルに電話してるんだもんな^ ^ けっきょくポルノ業界に拾われることとなる。

そのことを引け目に感じ、 親にも隠しながら、 しかし意外に暖かいポルノ業界の人々の中で成長してゆく女監督。 ポルノ映画の製作会社では最初は編集として雇われるが、 この業界が長そうな男の監督が、 かつて大好きだった映画を撮った人だとわかる。 しかし商業的な成功に見放され今は名前を変えポルノ監督となっていた・・

女監督は会社のスタジオをこっそり使って自作を撮ろうと企てる。 メインストリーム対ポルノという構図も懐かしいものがあるが、 彼女が書き上げたシナリオも、 好きだから簡単には許さないという古風な感覚に包まれていて、 評価はされるものの肝心なところでピンと来ないと出演者からも指摘される。 そして彼女はその指摘を受け入れ、 シナリオを書き直すことで新たなステップを踏み出す。

編集は Final Cut Proを使って進められるが、 このあたりのシーンはそこそこカッコイイ。 もうアナログの編集機材なんて使わないんだな^ ^ どこかマネキンっぽい顔のソビエスキーだが、 キュートかつ独特の存在感。 ポルノの女王 Bliss やプロダクションの女社長など、 キャスト陣も存在感たっぷり。 あちらこちらに、 そこはかとなく漂うリアリティ^ ^ ほぼ実話なのだろうな。 すごく良くできているというわけではないが、 興味深く見れた作品。 密かにお薦め!



冒険してもいいコロ! Finding Bliss (2009) 日本未公開 
脚本・監督 ジュリー・デイヴィス 
リーリー・ソビエスキー マシュー・デイヴィス デニース・リチャーズ 
クリステン・ジョンストン マーセア・モンロー ジェイミー・ケネディ 

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