6月15日(晴)
物忘れがひどい。物事に対する方向性を見失うことも多くなった。
こんなことを書くのも情けないが、スマホのことである。
本を読んでいて知らぬ字句に突き当たったら、都度、調べている。そんなものすっ飛ばして読まないと筋が掴めないと若いときに教えられ、読んだあとでの辞書引きもしていたこともあったが、最近は調べものがあったことすら忘れてしまうひどい脳の後退。めんどうくさがらずにスマホで都度調べをやっている。
スマホがいけない。
ググッて検索サクッとメモ取りで終わればよいが、画面を開いてフェイスブックやLINEに赤の①や②のお知らせマークがついていると、そっちが気になりついついタッチしてしまうことがよくある。
自分の書いたメッセージに返信があったり、記事にコメントがあれば読んでしまうし、ひどいときには返信するまでしてしまう。終わったらそのまま画面を閉じてスマホをバックに仕舞うのだ。
さて本読みを再開する。どこまで読んでいたか、すんなり頭に入ってこない。で、開いたページの始めから読み直し、件の字句に突き当たる。
あれっ、この字なんという意味だったっけ? と脳は赤信号を発する。ほとんど同時に、ついさっきスマホを開いた動機にも反応し、自分の愚かさに愕然とし口の中で罵っている。そしてバックからスマホを取り出しながら、検索が先だぞ、と言い聞かせながら画面をタッチするのだ。