(桃の滴 松本酒造)


伏見といえば伊丹や灘五郷と並ぶ関西の酒処。

有名どころでは「カッパ黄桜かっぱっぱ」でお馴染みの黄桜酒造やCM「つきだよね〜」と沢口靖子が出ていた月桂冠、「しょーちくばい」は石原裕次郎から渡哲也に引き継がれたセリフの宝酒造の名前が出てくる。

自宅そばに立つ赤煉瓦煙突と黒塀に白漆喰の壁の建物群はシンボル的な松本酒造のもの。「桃の滴」のブランドで名を馳せる。他にも14の個性豊かな味と風味の酒蔵が並び立つ。

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(サンマルクの上がフシミ大学)

近年海外でもブームを巻き起こしている日本酒。焼酎やハイボールに押され気味だった和の酒はワインにも似たテイストが海外にも幅広く紹介され、今やブームのうねりのなか。酒処伏見の台所大手筋商店街に情報基地「フシミ大学」が誕生し味や技術や運動の様々な情報を発進している。

毎週末には利き酒会が催されており、おちょこ一杯100円で好きなお酒のテイスティングができる。酒好きには嬉しいショップ。

伏見の酒造りは今17蔵。1990年代には20以上もの蔵元があったが、いくつかはバブル崩壊後の地価上昇や不景気、日本酒自体低迷した影響で廃業を余儀なくされた。

利き酒会では17蔵17酒が味わえる。

この日はにごり2杯と古酒1杯。にごりと言えば「月の桂」。1964年日本で初めて「にごり酒」の名前で販売したのが「月の桂」の増田徳兵衛商店。てなことで月の桂を探したが残念ながら売り切れていた。

仕切り直して月桂冠は「鬼伏」にごり酒。ふうわりと甘い。つるっと喉を通る。飲みやすい。「ああ、あかん、なんぼでも飲んでしまう」。

もういっぱいといきたいところだったが切り替えて齊藤酒造「英勲」の酒。齊藤酒造はここ数年日本酒品評会で数々の賞をとってきた蔵元。その名も「にごり酒」。酸味の利いたフルーティーな風味と喉越しの軽やかさは絶品。

小生、日本酒はとことん行ってしまう酒癖。足腰の立っているうちに次へ。

3杯目はこの黄色い日本酒。ウイスキーではありません。都鶴の熟成酒20年。1994年製造の古酒「うなぎのねどこ」。角のない口当たり。酒は歳を重ねるごとにまろやかになる。

お酒、いいですね。