堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

さて本日は「音楽療法は楽しむのが大事」というお話しです。

先日
ある送別会をしました。

送り出した方は
ある高齢者施設で、
音楽療法の係を3年担当してくださった職員さんです。

その職員さんは
本当によく気がつき、
クライアントさんへのサポートも適切で、
また
クライアントさんが音楽療法の中で出た反応や発言などを
他の職員さんたちにしっかり伝えてくださる方でした。

その方が担当になってくださったおかげで
私はどれだけ安心してセッションをすることができたことか。

ありがたかったですし、大変お世話になりました。

本当に、音楽療法の時間は楽しかったです。

その職員さんが
「本当に、音楽療法の時間は楽しかったです。」

と言われ、、、

「1回だけですけど、太鼓のプログラムの時。
利用者さんに出された太鼓を
僕、叩いちゃったんですよね(笑)」

と笑いながら話され、

「他にも、、、利用者さんたちと本当に一緒に楽しんだなあって思えるんです」

そして
「音楽療法を卒業するの、寂しいです」

と何度も言われていました。

実は
この施設でのセッションは
認知症や胃瘻の方、失語症の方、精神疾患の方を含め
かなり重度のクライアントさんたちばかりが参加されているのですが、
とても明るい雰囲気でいつも笑い声があり、
お一人お一人がその人らしく楽しんで参加されています。

そのため、このような効果が出ました。

  • 今まで何年間も失語症で発語されなかった方が話し出したり
  • 無気力だった方が、積極的な行動をとれるようになったり
  • 昼夜逆転していた方が、夜眠るようになったり
  • 徘徊が激しかった方が、落ち着くようになったり

いままでにたくさんの変化を見ることができました。

このような
クライアントさんたちの変化をみることができたのは
「スタッフも楽しんで参加することができている」からだと思います。

音楽療法の多くは、チームワークで行うものです。

そして
スタッフ全員の思いや心理状態が
クライアントさんに強く影響します。

なので
スタッフ全員が楽しいと感じながらクライアントさんに関わることは重要で、

その気持ちを持ちながらクライアントさんと関わることで
クライアントさんたちも心からセッションを楽しむことができ、
結果、行動や発語などに変化が現れやすくなるのだと思われます。

ということで
送り出した職員さんのように
音楽療法を心から楽しんでやっていくことをおすすめします。

なお、
すでにお気づきとは思いますが、
音楽療法はスタッフが楽しんでるだけでは
クライアントさんの変化は導けません。

クライアントさんに合った「治療目標」が必要です。

適切な治療目標の設定については
「音楽療法概論」でお話しします。
↓ ↓ ↓
音楽療法セラピスト養成講座

それでは
今日も1日はりきってまいりましょう!

音楽療法セラピスト  堀田圭江子