作品「道」 その一 | Life is the very ART

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命こそ、人生こそ芸術作品だ!!

生きることを心から謳歌したいという願い、
やりたい放題生きると決めた

書を、文章を、落書きを、写真を、クルマやバイクを通じて
試行錯誤しながら考え、気づき、実践する
そんな「にんげん 伊藤 義之」のBlog

すこし前の話になってしまいますが、
本当に不思議なご縁でお知り合いになった方から、
作品制作をご依頼いただきました。

ひょんなきっかけでお会いし、
身の上話などをさせていただく中で、
わたし自身に関心を持っていただきました。

昨年の私の個展にも足を運んでいただき、
そんなことを通じて作品制作をお願いしたい、
と言っていただいたものでした。

わたしの場合、作品をご依頼いただくときは、
できる限りご本人と直接お会いします。

その作品に対する気持ちや思い、
その文字を選んだ理由などを伺うことで、
ご本人だからこそ持ち得るいきいきした思いを、
作品制作に反映したいと思うからです。

正式に作品依頼をいただくことになり、
打ち合わせのお時間を頂戴しました。

今回ご依頼いただいた文字は

「道」

正直、これは大変なご依頼だ、と思いました。

「道」・・・

真剣に生きようとする人間なら必ずいちどは、
自分の人生を例えるものとして、
思い浮かべるのではないでしょうか。

仏教や神道、老荘思想などとも切り離せない、
書の作品としては、非常にメジャーな文字です。

この作品に対する思いなどもお聞かせください、
とお伝えしたところ、この方はなんと打ち合わせのためだけに、
わざわざハンドアウトを作り、持参くださったのです。

そこに記されていたものはその方が、
「道」という言葉から連想する言葉やイメージ。

さらに極めつけは
高村光太郎の詩、「道程」でした。

久しぶりに読むその詩は私の心に染み入り、
いつのまにか涙が一筋落ちていました。

今回のご依頼に対する真剣な思い。
「道」という言葉に対する真摯な思い。

自分ごときに充分に表現できるのだろうか・・・

そんな思いに、更に「道程」の素晴らしさが、
プレッシャーとなります。

あの高村光太郎と並べて恥ずかしくない書・・・


これはぼくには過ぎたご依頼かもしれない。

そんな自分と勝負する日々が始まりました。

「道」表装前