選りすぐり⁉ 2011年みた映画ベスト・テン
明けましておめでとうございます。本年はもう少しブログを書くことにします。よろしくお願い申し上げます。……ということで、 まずは、昨年劇場でみた映画のまとめをしたいと思います。2011年に映画館で見た映画は14本。ごめん、少な!!…。もう、みる段階で選りすぐっている⁉ただ、みる前に予習するのが好きで、その前にレンタルなどで関連作品を一本につき3~4本は観ている。中には予習だけで、見にいかないものもあるので、レンタルも含めると年間60本ぐらいを観ています。それに、原作があれば読んだりするのも好きで、一作で十二分に楽しむのですが、ちょいとやり過ぎてブログがおろそかになってしまったのが、昨年です。いちおう、言い訳。そんな中で、私的順位をつけて見ましたが、長いのでお時間のある時にどうぞ・・・・・・・・・・・1・ソーシャル・ネットワークソーシャル・ネットワーク 【デラックス・コレクターズ・エディション】(2枚組) [DVD]/ジェシー・アイゼンバーグ,アンドリュー・ガーフィールド,ジャスティン・ティンバーレイク¥2,980Amazon.co.jpもし後年、いまを振り返ったとすれば、時代を代表する作品となるのは間違いなし。Facebook、ソーシャルメディアという時代の先端の世界を題材にしていますが、中身はオーソドックス、古典的な青春映画です。デヴィッド・フィンチャーは、大好きでくせのある監督ですが、そういった面を抑え堂々の王道っぷりに感心して、トップに選びました。とはいえ、今回も怪物、のようなもの、を熱心に追求しています。もちろん映画的造型なのですが、ジェシー・アイゼンバーグが演じたFacebookの創始者マーク・ザッカーバーグは本人としか思えなくなってしまいます。(→デヴィッド・フィンチャー監督会心の映画「ソーシャル・ネットワーク」で現代の怪物くんを見る)・・・・・・・・・2・キック・アスキック・アス DVD/アーロン・ジョンソン,クロエ・グレース・モレッツ,クリストファー・ミンツ=プラッセ¥3,990Amazon.co.jp何といっても11歳のヒット・ガール、クロエ・グレース・モレッツちゃんの活躍ぶりが見もの。過激な言葉とアクション、実にかっこいい。虚構として楽しむ心構えが必要ですが、なんの力もない普通の男の子がヒーロー、キック・アスをめざすテーマは、意外にもヒーローとは、暴力とは、社会とは、親子とは、色々と考えさせられるものを含んでおり、ただの能天気な映画ではないとことが、ミソです。(→妄想が世界を変える映画「キック・アス」で危ない新年始動)・・・・・・・・3・ピラニア3Dピラニア [DVD]/エリザベス・シュー,アダム・スコット,ジェリー・オコンネル¥3,990Amazon.co.jp大昔3Dといえば、ホラーとエロでした。その王道をしっかりと受け継いだオッパイと血しぶきが十分に楽しめる映画です。私はどうも昔と王道に弱いようですね。そういう作品が私に見やすいのです。これも色物だと思って気軽に見に行ったのですが、その出来栄えの良さにびっくら仰天。こういう映画は誰が殺され生き残るかも大切ですが、そのあたりも基本を外さない。このアレクサンドル・アジャ監督の真摯な?姿勢、丁寧な作品作りに感心しました。ピラニアという題材を選んだ時点でセンスがいい。ご存知のようにこのピラニアという作品は新人監督の登竜門のような映画です。ピラニア [DVD]/ブラッドフォード・ディルマン,ヘザー・メンジース,ケヴィン・マッカーシー¥4,179Amazon.co.jp最初のピラニアを監督したのは、ジョー・ダンテ。「ジョーズ」の大ヒットを受けて作られたものですが、そんな作品群の中では、一番の出来でスピルバーグに注目され、トワイライト・ゾーン、グレムリンなどメジャー監督に。殺人魚フライングキラー [DVD]/トリシア・オニール,スティーヴ・マラチャック,ランス・ヘンリクセン¥1,480 Amazon.co.jpその伝説を引き継いだのが、続編の殺人魚フライングキラー。監督はかのジェームズ・キャメロン。長編の処女作のようですが、出来はかなり酷いものです。エロな場面は後から勝手に挿入されたらしく、ストーリーはほぼない。どこかにキャメロンの面影がないか、この渚のシーンか、魚の動きか、色々と思い込もうとするのですが、さっぱりわかりません。個人的にその安易さをかなり楽しみましたけど。ただ、この屈辱の日々に熱をだし、ターミネーターのアイデアを得たことは、真偽はともかく有名な話です。なんでも仕事はしてみるものです。今回3Dのアジャ監督はあまりにも出来がよく、それゆえ後に大出世するかどうかは不明ですが、スティーブ・マックイーンの孫が好青年を演じているのもオールドファンには嬉しい。・・・・・・・・3・探偵はBARにいる探偵はBARにいる 【Blu-ray1枚+DVD2枚組】「探偵はここにいる! ボーナスパック」/大泉 洋,松田龍平,小雪¥8,190Amazon.co.jp何か見終わってとても嬉しく、ピラニアと同率の3位にしちゃいました。監督は橋本一さん。東映唯一の社員監督でなんでも撮るそうです。頑張れ~。これも昔の二本立ての頃のような映画が撮りたいと立ち見でも大丈夫なくらい軽快な仕上がりです。今の私は絶対座らねばダメですが、ビデオ化を念頭に置いた無駄なカット、長い映画が多いなか感心な心がけです。札幌・ススキノの街、名無し探偵・俺の大泉洋、いつも遅れる相棒・松田龍平とのコンビが素晴らしく、ハードボイルド(やせ我慢)のキモも押さえ、アクションもちゃんとしていて、とても楽しめました。原作の東直己さんの作品も読んだことがなかったのですが、このシリーズはほとんど読んでしまいました。映画の原作は一作目の「探偵はバーにいる」ではなく「バーにかかってきた電話」です。 続編は、大泉・松田のコンビでもう私の頭の中では動いています。・・・・・・・・ 5・ブラック・スワンブラック・スワン 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕.../ナタリー・ポートマン,ヴァンサン・カッセル,ミラ・クニス¥4,190Amazon.co.jpこれはかなり、好き嫌いの分かれる作品です。徹底徹尾、一人称で貫かれる映像が圧巻で、やはりダーレン・アロノフスキー監督は、外せません。案外、年配の方には見やすしかも。年度前半のベスト3に挙げているので、良かったらブログをみて下さい。(→「上半期に見た面白い映画ベスト3」と言われても」)この作品が気に入った方はぜひ「π(パイ)」をみてみて下さい。・・・・・・・・6・ツリー・オブ・ライフツリー・オブ・ライフ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]/ブラッド・ピット,ショーン・ペン,ジェシカ・チャステイン¥3,990Amazon.co.jpこれも好悪の分かれる監督をみるための作品です。群像で蓮實重彦さんが、みるものに苦痛を強いる娯楽映画としては失格、というような評を書いて話題になりました。私が思うに近親憎悪なような気がしますが、まあ、そういう映画です。テレンス・マリック監督は寡作で知られていますが、繰り返し、自己模倣する方で、どの作品も女の人(母的なもの)が森で光を受けてくるくる回るみたいなテーマは一緒で、前作で足りなかったものを次作で撮るので、作品をみるなら、制作順か逆かともかく順番にみるといいと思います。(例・地獄の逃避行→天国の日々→シン・レッド・ライン→ニュー・ワールド)映像は文句なく素晴らしく、今回は2001年宇宙の旅に比される生命の誕生からの映像が話題ですが、この後「ルパン三世 ルパンVS複製人間」をみたらマモーの思想とほぼ同じだった。ルパン音頭と共に偉大な作品です。生命について考えると似ちゃうのね。蓮實さんもこれならOK?ツリー・オブ・ライフ!・・・・・・・・6・猿の惑星:創世記(ジェネシス)猿の惑星:創世記(ジェネシス) 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔.../ジェームズ・フランコ,フリーダ・ピント,ジョン・リスゴー¥4,190Amazon.co.jp認知症の薬が、人類の滅亡と猿の覚醒を導く。どんどん主人公の猿の「正義」に感情移入していき、 人類よさようなら、もう猿が支配してもいいやと思える。派手さはないけど、とてもよく出来ていた。猿の惑星 DVDマルチBOX (初回生産限定)/チャールトン・ヘストン,モーリス・エバンス,キム・ハンター¥4,990Amazon.co.jpなんといってもラストシーンの衝撃の第一作目が素晴らしいが、そのジェネシスに知も含めた抑制が効かなくなった人の欲望が破滅を招くところが秀逸だと思う。ちょうど深夜に見た梅棹忠夫さんの番組じゃないが、人類学的に進化こそが暗黒を招く予測とも重なる。もちろん知を手に入れた猿もその滅びの原点を手に入れたわけだ。・・・・・・・・7・ゴーストライターゴーストライター [DVD]/ユアン・マクレガー,ピアース・ブロスナン,キム・キャトラル¥3,990Amazon.co.jpこれはまったく、私の趣味でここの位置に。ロマン・ポランスキー監督はともかく好きなのだ。なんとも不穏な海の色の冒頭のシーンから、どっぷり楽しみました。若い方には、前半は少しゆっくりに感じるかもしれないけど、そのテンポも含め楽しいんです。自分が思う、楽しんできた映画というのは、こういうものだったとあらためて、認識しました。原作はそれほど印象残ってないのですが、映画の方が良かった気がします。ユアン・マクレガーのゴーストライターが、ピアース・ブロスナンの元首相の本を書くわけですが、男の話と思いきや妻のオリヴィア・ウィリアムズと元秘書のキム・キャトラの女の戦い。フィンチャー監督の新作「ドラゴン・タトゥーの女」の予告編をみると、なぜかこのゴーストライターが、浮かんでしまいます。・・・・・・・・・9・塔の上のラプンツェル塔の上のラプンツェル DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]/ディズニー¥3,990Amazon.co.jp私が若ければ、順位はもっと上だろう。3Dで見たのですが、映像がとても美しく、ロマンチック、ディズニーらしい傑作。もし、舞台にするならどうするんだろう、なんて考えながらも見てしまった。それに、こういうものにときめかなくなった自分は、完全に枯れてるとも思った。私は昔のディズニーが忘れられず、最近の人種の配慮したような絵があまり好きではない。この頃WOWOWで見てみると「おしゃれキャット」あたりまでだな、と思う。ちょっと古過ぎかな。・・・・・・・・10・英国王のスピーチ英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]/コリン・ファース,ジェフリー・ラッシュ,ヘレナ・ボナム=カーター¥3,990Amazon.co.jpアカデミー賞らしい作品。卒がなく、まとまっている。コリン・ファースをはじめ、役者たちの演技も隙がない。ただねえ、自分がこの題材で作るなら、こう作るなあ、なんて生意気にも思ってしまった。逆にこれしかない、という出来。出来過ぎゆえにこの順位。かといってベストテンを外せぬ。ある意味王道を外していないのであるが…。興味のある方はこの逆バージョン、ヒットラーにスピーチを教える話「わが教え子、ヒトラー」をみてみるのも面白いと思う。・・・・・・・・・番外編・みた順です。○SPACE BATTLESHIP ヤマトSPACE BATTLESHIP ヤマト スタンダード・エディション 【DVD】/木村拓哉,黒木メイサ¥2,625Amazon.co.jpかなり健闘していたと思うが、ガミラス星人を機械にしたのは、仕方がないとしても、沢尻エリカだったら、違ったものになっていたようで残念。レンタルで手に入る限りの宇宙戦艦ヤマトものをみたが、こんなに面白かったんだ、と再認識するほど面白かった。ガミラスに到達するまでの様々な作戦を駆使する戦い、そして防戦のはずが相手の星まで滅ぼしてしまう終幕近く、特攻の場面ばかり印象に残っていたが、戦争をちゃんと描いていて、さすがにブームにまでなるものは、違うと思った。○相棒 劇場版II相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜- 豪華版Blu-ray BOX (初回完全.../水谷豊,及川光博,小西真奈美¥13,125Amazon.co.jp相棒は安定してる。これは東映の力だと思う。それほどお金がかっかいるとは思えないけど、これだけの人が劇場に足を運ぶのは、脚本としっかりした映像、プロ監督のお仕事だと思う。それにしても岸部一徳さんの退場には驚いたが、それを知らないでみにきてる人も多いのに、驚いた。事前に調べたりしない、そういう人たちが相棒を支えてるんだなあ、つくづく思う。そしてこの自信と人気が「探偵はBARにいる」を産んだのだとすれば、素晴らしいことです。(プロデューサーが同じ)○あしたのジョーあしたのジョー プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]/山下智久,伊勢谷友介,香里奈¥6,300Amazon.co.jp白木のお嬢様に、過去を与えた描き方が許せなかったが、ジョーの山下智久、力石の伊勢谷友介の鍛えっぷりは素晴らしかった。白木のお嬢様にトラウマがあるとすれば、それは豊か過ぎることだし、ジョーと力石に愛されるのに、愛そうと思うとジョーと力石の間に割り込むことが出来ない。女神のように崇められるが降りれば愛されない、生身の女になれない悲しさなんだよ。そしてそれを選ばないがプライドなんだよ。男のプライドと女のプライドがそれぞれの形で激突し昇華するのが、あしたのジョーなのだと思う。○ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル可憐な殺し屋にナイスボディの相棒、個人戦から団体戦に転換したトム、とは言え、何処までいってもトム、トム、トムで、最後まで息もつかせません。トム復活!とは言え、この監督のアクションは私はあまり好きじゃないかも。追いかけてるとこで飽きました。疲れました。期待を持たせた可憐な殺し屋、女の戦いがすぐ終るのも残念です。どうしてもミッションインポッシブルというと、TVのようにアクションよりバレバレの変装でも頭脳で相手を騙し切るその過程を楽しむものだ、とう観念が抜けません。ま、これはもうトムの映画なのだから、彼がかっこ良ければいいのよね。彼が駆ける姿はエイトマンみたいで、かっこいいです。トム、足が早いです。そういえば、この監督の傑作の誉れ高い「レミーのおいしいレストラン」もねずみが料理するという一点だけで、どうしても料理が美味しく見えない、偏見が抜けない私です。 ミッション:インポッシブル [DVD]/トム・クルーズ,ジョン・ヴォイト,エマニュエル・ベアール¥1,500Amazon.co.jp以上、去年みた映画のおさらいです。キック・アス、ピラニア3D、猿の惑星、英国王のスピーチなど30~40歳までぐらいの監督たちの上手さが目立ちました。大作に抜擢されてもそれなりにきちんとまとめており、偉いものです。ただ、好き好き、応援したいかどうかは、なんだかはっきりしませんでした。まとまりが良すぎる。でもそのぐらいの年頃の方が活躍するのは、ほんとうにいいことです。今年もどんな映画に出会えるのか、ワクワクしますね。長々、最後までお付き合い、ありがとうございます。「おい、めたぼっち、とりとめなく長過ぎだよ」と思ったかたはクリック↓ 携帯の方はこちらで→人気ブログランキング