レイジーなガキ

サクラナ外伝フォー「身体は回復？」


　それから、１週間程度すると、
　サクラナの右半身の麻痺もほぼなくなり、検査の結果、
その原因となっていた血栓も薬の効果などでほぼ消えていた
とのことで、サクラナは杖もつかず歩行できるまで身体の方は回復していたが、
　記憶の方はさっぱり回復せず、
　その原因たる障碍が脳内には見つからなかったことから、
医師も首を捻っていた。
　ただ、
　あおむ、ウメナ、タマキがほぼ毎日見舞いに訪れ、
４人で撮った写真などを見せたので、
　サクラナは記憶はないもののそれまで３人と生活していることは
完全に理解したようだったが、
　その経緯は複雑だったので、
　タマキが従姉妹同士だととりあえず嘘の説明をしたのだった。
　そして、化粧もひとりでできるようになったので、このまま入院を続けるか、
退院させて、様子を見るか、
担当医師と相談する予定の前々日、
　あの百合からあおむの携帯電話宛に
サクラナがそこまで回復していたなら一度見舞いに行きたい
とのメールが届いたのだった。

（続く）