レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

「そして3人しかいなくなった?」782

2015-07-05 07:34:08 | 小説

「そして3人しかいなくなった?」782

 「桃ちゃん、大丈夫よ!
 でも臆病ね。あー、まだ、1歳だからしょうがないのね」
と、
 エミはそんな桃太郎に気づき、笑顔でそう言うと、
 先頭の信長が、
 「桃ちゃん、隠れてるくらいだから、大丈夫だよ!
 おーい!
 誰かいるんだろ!
 出て来いよ!
 怖くないからさ」
と、
 そのニオイのもとであるのが自分たちを怖がっているか
とまるで決めつけたように大声を出して辺りを見回したが、
そこにいる誰の視界にも何者も見えなかった。
 そこで、
 今度は秀吉が、
 「隠れているとおいしいものだと思って食べちゃうぞ!」
と、
 脅すようなことを大声で言ったところ、
 元来臆病な虎之介が、
 隠れているものの気持ちを察しているかのように、
 「ダメだよ。
 臆病な生き物に脅しは。
 ここはエミちゃん頼むよ」
と言ったので、
 秀吉が黙って頭を掻くと、
 「ねえ、誰かいるの?
 ここにいるおにいちゃんたち怖くないし、食べたりもしないよ。
 それに、一緒にいると、凄く楽しいわよ」
と、
 エミなりに大声をあげると、
 最後尾にいた桃太郎も、
 「僕もそうでしたが凄くやさしいですよ。
だから、隠れてないで出て来てくださいよ」
と、
 桃太郎なりに大声をあげたが、
 桃太郎のときと違い、
辺りで物音すら聞こえては来なかったのだった。

(続く)






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