だいぶ前の案件ですが「?」となったご相談を紹介します。
一つは、51歳の薬の営業のサラリーマン男性。
その彼が、
「もうサラリーマンに飽きたので、そろそろなんか始めたいなぁと思って~
焼き鳥屋でもやろうと思うんですが、僕に合っていますか?」
「焼き鳥屋でも」って、「でも」というけれど、
焼き鳥屋さん、そんなに簡単じゃないです・・・
そしてもう一件の「?」のご相談は、
28歳の一般事務職のOLさん。
「会社、つまんないし、自分でなんかやろうと思うんですけど、
何が合っていますかね?」
「何も合っていません」と言いたい・・・
このお二人に共通していることは、
「起業や独立したい」理由が、「飽きたとかつまらない」
と言う現状からの逃げであること。
そして、「何をやるか」に対しても
それまでの経験を生かす、とか
これをどうしてもやりたい、というような信念みたいなものがなく、
「何でもいい」という適当さ。
これって、占い以前の問題です。
上手くいかないことは、目に見えている。
そして占い師としては、答え方に非常に悩むわけです。
だって、起業や独立は、そんなに容易いものではなく、
やはり大変です。
それは、20年も経営者をやっているワタシは、実感を持って知っている。
しかし、大変ながらも楽しいし、やりがいもあるので、
起業・独立は大賛成なんです。
これから起業・独立を考えている人を
どんどん応援していきたいと思っています。
しかしですよ、このお二人みたいな方の場合は、
ホント答えに窮してしまう。
聞かれたことだけ普通に占って、
「あ~アナタは〇〇と△△が合っていますよ、
時期は××頃が、運気が上がっているので、いいですよ、
ラッキーカラーは※※なので、ロゴとか店(オフィス)に使ってくださいね」
とでも、言えばいいのか・・・
しかし、そもそも起業・独立に対する姿勢が間違っていて、
明らかに失敗しそうなのに、
こんなこと言うのは無責任ではないか?
しかし、「起業が合っていますか?」と質問されているのではなく
「何が合っていますか?」
と聞かれているのだから、
余計なことを言わずに、聞かれたことだけに答えればいいのか・・・
しかし、それでは占い師のくせに、みすみす良くない方向に行くのを見過ごすのか・・・
と葛藤するわけです!
結局今回のケースでは、薬の営業マンには、
「焼き鳥屋さんは、あまり合っているとは言えないですね~
それに今は時期があまり良くない。今すぐに起業を考えないで、
定年まで勤めて、それから考えてもいいんじゃないでしょうか?」と・・・
そして、一般事務職のOLさんには、
「まだお若いし、今はまだその時ではありません。
今しばらくいろいろな経験をしたり、学んだりしてください。
その中で自ずとやりたいことが見つかるでしょうから、
その中から選んではどうでしょう?」
とそれぞれに前置きをしたうえで、
「何が合っているか」という適性やだいぶ先の起業に向いている時期などを
お話ししました。
まぁ、どちらも面白くなさそうな顔をして聞いていましたが、
ご本人のためには、これでイイのだ、
と自分に言い聞かせました(笑)
最近の鑑定は、ほとんどがリピーターさんとご紹介だけなので、
こういう相談をする人は少なくなりましたが、
占い師として、「聞かれたことにだけ答えればいいのか」
嫌な顔をされても、「良くない方向にはいかないように諭すべきか」
と、悩ましいことが、たまにあります・・・
(結局は、後者を選んじゃうんですけどね~)