マージナル・オペレーション 空白の一年 上・下//芝村裕吏 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!

 

 

 

 「マージナル・オペレーション 空白の一年 上・下」

 

 芝村裕吏、著。 2015年

 

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内容(「BOOK」データベースより)

村はアラタの指揮した戦闘で燃え、ジブリールたちは故郷を失った。子供たちを引き連れたアラタは、サマルカンドを経由し、イラン―かつてのペルシャを目指す。途次、シベリア共和国によると思われる不可解な襲撃を受け、目減りする資金を睨みながらも、一行を乗せた中古のバスは砂漠をひた走る。日本篇までの空白の一年に何があったのか。いま、ジブリールの視点から、全てが明かされる。芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る大ヒットシリーズ、再び砂漠の地へ―!

 

内容(「BOOK」データベースより)

赤い日本による襲撃をかわしつつ、イラン―かつてのペルシャを目指すアラタたち。国境を越え、アフガニスタンに入った一行が見たのは、無人機が遊弋する荒廃した戦場だった―。補給もままならぬ過酷な旅路に、子供たちは次々と病に倒れ、どこに行ってもシベリアによる監視の目が光る。果たして、砂漠の果てに安息の地はあるのか。そして、シベリアはなぜアラタに固執するのか…。芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る大ヒットシリーズ、“新田の血”が時空を繋ぐ番外編、ここに完結―!

 

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 ジブリール目線はやはりイタイ。

が、まあ、そこが面白くもある。

本編以外は語り手が変わるので、登場人物たちのイメージが微妙に変化する。

そこが番外編の楽しみのひとつだ。

とは言え、番外編はスピンオフではなく、シリーズの一遍として成立しているあたりが、マジオペの面白さでもある。

 

 本作も中東編と日本編を繋ぐ作品だ。

アラタたちの傭兵稼業もまだ軌道に乗る以前のお話。

本編にとっても、重要な位置を占める作品になっている。

 

 ジブリール目線なので、アラタの苦悩は本編ほど明らかではない。

アラタ目線ではないので、敵の正体や目的に謎も多い。

その分スリリングでもあり、コミカルな部分もある。

これはこれでアリと言う感じだ。

 

 で。

やはりシーズンセカンドがあるらしい。

ウェルカム。

このまま終わられたら堪らない。

やはりハッピーエンドが見たい!

 

 で。

本作はもう一つのシリーズものである『遥か凍土のカナン』ともリンクしていると言う。

つまり。

そちらにも手を出さざるを得ない。

と。

 

 もっとも、芝村作品も完全制覇するつもりなので、そう言う事情に関わらず読む予定だから、それが早まったと言うだけに過ぎないのだが。

 

 小川一水・野崎まど・黒史郎・舞城王太郎・町田康・夢枕獏etc.

完全制覇予定作家のひとり。

芝村作品はどれも面白い♪

 

 『マージナル・オペレーション 空白の一年 上・下』。

セカンドシーズンが待ち遠しいです。

本作も本当に面白かったです♪♪♪