五十嵐貴久さんの『リカ』を読んだことがありますか?

私の読書歴で、1、2を争う怖い話です。

とにかく怖くて怖くて、

怖すぎるから早く読み終わりたいと、

一生懸命読みすぎて、気がつけば真夜中。

ひーー!!

怖い〜!!

玄関の鍵はかけてるよね?

後ろに誰もいないよね?と、

自宅にいるのに、ビクビクしちゃったくらいです。

 

何が怖いって、リカという女が怖すぎるんですよ。

もしも「怖い小説アカデミー賞」があったとしたら、

主演女優賞は貞子を抑えてリカに決まると思うくらいに。

 

『リターン』はその『リカ』の続編なのです。

読む前から怖いわ!!

 

前作『リカ』から10年後のお話。

スプラッタやグロテスクな表現が苦手な方は

このさきを読まないほうがいいと思います。

お気をつけて。

 

 

***

山中で遺体の入ったスーツケースが発見される。

それは10年前、執拗なストーキングの末に

リカに拉致されてしまった男性の遺体だった。

その体には四肢がなかった。

切断面は古く、おそらく拉致されてすぐに切り落とされたものらしい。

(切断されていたものはそれだけではない)

しかも死因は失血死ではなく、

食事を喉に詰まらせたための窒息死。

つまり、胴体だけの姿で、その男性は10年も

生きていたということなのだ。

 

愛の対象を失ったリカが

新たなターゲットをみつけてしまうまでに、

何としても逮捕したい…。

警視庁とリカの新たな戦いが始まった…。

***

 

ネタバレをしないようにと思うと、

こんなまとめになってしまうのですが、

ここに書けない、あんなことやこんなことが満載。

 

とにかくリカは恐ろしいほど粘り強く、

手段を選ばない実行力を持っています。

 

論理的に考えれば「??」な部分もあるけれど、

「なぜそうなるのか」など瑣末な問題だと思えるほど、

圧倒的な怖さでリカが読者に迫ってきます。

 

一例を挙げると、

眼球を刃物で刺されるかもしれない…というシーン、

想像しただけで「ギャー!やめて〜!!」と叫びたくなりません?

指を落とされるとか、腹部を刺されるとか、

そういうのも痛いし、怖いけど、眼球に刃物が迫ってくるなんて。

こうやって書いていても「ギャー!!!!」だわ。

ね?こんな怖さの前に、理屈なんかどこかへ飛んでいくでしょ?

そもそもホラー小説に

理屈は無用なのかもしれませんしね。

 

まだリカの怖さを真に理解していない

登場人物の何人かがリカに立ち向かっていくのだけど

「あかん、あかん!

 そんなことしてもリカに勝てないよ!」と

言ってあげたくて。

小説なのにね。

昔、ドリフターズのコントを見ている子どもたちが

「志村!後ろ、後ろ!!」って叫んだのと同じかも。

 

ともかく、息をするのも忘れそうになりながら、

最後まで読みました。

一応の結末を迎えたと思ったのに、

最後の最後に、新たな狂気の芽生えを感じる文章が。

ウギャッ!新しいリカが誕生するの?!

怖いわぁ。

もう、やめていただきたいワ。

 

やめて、と言いつつ、

私はこれを映画化するならハリウッドで、と思っています。

たっぷりお金をかけて、思いっきり怖い映画に仕上げて欲しい。

鈴木光司さんの『リング』の貞子が、

日本的なじっとりとした怖さだったのに比べて、

リカはストーキングといい、犯罪手法といい、

日本人にしてはダイナミックすぎるので、

絶対外国映画にしたほうがいいと思うのです。

映画化されたら…怖いけど絶対見に行くワ。

 

 

この秋出版された五十嵐貴久さんの新作『リバース』が

リカシリーズの一つなんだとか。

このあとすぐに読むつもりです。

 

 

ちなみに、『リターン』は、

前作『リカ』を読んでいなくても、

楽しめる内容にはなっておりましたが、

できれば順番に読んだ方が楽しめると思います。

 

 

 

 

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