20年ほど前のこと。

育成ゲーム「たまごっち」が大ブームになりました。

 

話題の商品に目がない私。

それにゲームも嫌いではない(むしろ好き)。

ぜひ一つ手に入れて実際にやってみたいと思ったものの、

どこに行っても手に入りません。

想像以上に流行していたのです。

 

やっと手に入れたのは半年後ぐらい。

ブームがちょっと落ち着いた頃でした。

 

さて、私が必死で「たまごっち」を探していた時に、

とある週刊誌で偶然見たのが、歌舞伎役者 市川新之介の記事。

 

新之介は「たまごっち」を2つも3つも持っていて、

それぞれ育て方を変えて楽しんでいるというじゃないですか。

自分が舞台を勤めている間は、

お付きの役者さんにそれを預けているとのこと。

 

当時の新之介のお付きをしていたのは、

かなりご年配の役者さん。

父団十郎の、そのまた先代から成田屋に貢献してきたかたで

(すみません、お名前は失念しました)

新之介のおじいちゃまといっても良い年代のかたでした。

 

舞台を終えて預けていた「たまごっち」を確認した新之介が

「ちゃんと育てないとダメじゃないか〜。

 こんなになってしまって!」

とそのおじいちゃま役者さんを叱ることもあると、

記事に書かれていて、私は思わず

「新之介!アホちゃう?!」と

罵りの言葉をくちにしてしまいました。

 

ところが当のおじいちゃま役者さんは

新之介のことが可愛くて可愛くてしかたがないようで

「叱られちゃうこともあるんですよ(笑顔)」

 

ああ、なんてありがたい存在なんだろう、

部屋住みの役者さんって……

でも、こうやってアホボンが出来上がるんだなと、

妙に納得したのものでした。

(すみません、当時の偽らざる気持ちです)

 

その後、あれこれいろいろありまして、

週刊誌やワイドショーを賑わす彼を見るたびに私は

「あの『たまごっち』の新之介だもんね。

 こんなもんでしょう」

と呆れたりしていたのです。

(舞台姿の美しさなどはまた別のお話)

 

 

市川新之助、今の市川海老蔵です。

 

昨日、市川海老蔵さんの記者会見中継を拝見しました。

私も泣かずにはいられませんでした。

 

あの記者会見に関しては、

妻を亡くしてまだ間もない人に対して

むごいことをするものだと思いました。

しかしおそらく、しないでは収まりがつかないのだろうとも思い、

複雑なものがありました。

 

しかし海老蔵さんの受け答えは立派だった。

どんな奥さんだったかという質問に対して

「僕を変えた奥さんだったのでは」

と答えていましたね。

まさに。

 

今の海老蔵さんの姿を見ていると、

小林麻央さんがどんな女性だったのかが わかる気がします。

 

私は普段から麻央さんのブログを拝見しておりまして、

いつかお別れが来るかもしれないとは思っていたけれど、

あまりにも若いため、お気の毒でならず、

「若いのに かわいそうだねぇ」と口に出してしまいました。

すると夫が

「それは違うんじゃないの?

 (世の中には)幼くして亡くなる子どもだっているんだよ」

 

夫が言うのは「生きた年数じゃない」ということですね。

そしてこの世に何かを残したかとか、そういうことでもない。

 

この世に生まれてきたこと、生きてきたこと、

それが大事なこと。

 

麻央さん、安らかにお眠りください。

 

 

 

 

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 つけ忘れではありませんのでご心配くださらないようお願いします。