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カテゴリ:読書
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【KADOKAWA3倍】ジェノサイド(上) [ 高野和明 ] 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【KADOKAWA3倍】ジェノサイド(下) [ 高野和明 ] ジェノサイドってどういう意味だかご存知ですか? 恥ずかしながら私は知りませんでした。 ジェノ=人々 サイド=殺戮 という意味で、二つ合わせて集団殺戮、あるいは種族殺害を意味する造語だそうです。 これまた私は知らなかったのですが、 第2次世界大戦中のナチスによるユダヤ人集団殺害などを教訓として 1951年には集団殺害罪の防止および処罰に関する条約「ジェノサイド条約」が 発効しています。 ふーむ。 なんという重く恐ろしいタイトルでしょう。 ですが、知らぬが仏。 私がこの言葉の意味を調べたのは読後のこと。 単純に2012年の「このミステリーがすごい」で第1位というので 娯楽作品として読むことができました。 あらすじは *** アメリカ人の傭兵イエーガーは、 これまで体験した以上に危険な任務の契約書にサインしようとしている。 彼の息子は治療法の無い難病で 余命1ヶ月と宣告されているのだ。 ただ死を待つだけのように見える息子だが、 少しでも延命するうちに奇跡がおこるかもしれない。 いや、たとえ奇跡が起こらなくても、 一分でも一秒でも命をつないでおきたいと思うのが親というもの。 高額な医療費を稼ぐために危険な任務に付き、 息子の傍にいてやれないというのはつらいが、 逆に現実から目をそらしていられてホッとしているのではないか…と 自分の中の矛盾にも気がついているイエーガーだった。 一方、大学院生の研人は一通のメールに戸惑っていた。 心臓疾患で急死した父親からメールが届いたのだ。 葬儀も既に済んでいるというのに…。 そのメールには 自分が家族の前から姿を消したなら「アイスキャンディで汚した本を開け」と 書いてあった。 アイスキャンディで汚した本? 父と自分にしかわからない符号。 それに従った研人は、命の危険を感じる事態に巻き込まれて行く。 アメリカ人傭兵と日本人大学院生。 全く無関係な二人の運命は『ある存在』によって 守られ、導かれて行く。 *** 物語の舞台は日本、アメリカ、アフリカ大陸…と、世界規模。 衛星による監視システムや、戦闘機、ミサイルなどなど、 あまりにもスケールの大きな話で、 「こんなに広げちゃって大丈夫なの?」 「いったいどんなふうにオチをつけるの?」など、 ドキドキしながら読み進みました。 特に結末近く、主人公たちが絶体絶命の危機に直面した際に起こる 「何がなんだかわからない現象」の種明かしを読んだときには ブラボー、と拍手しちゃいました。 というのも、ちょこっとネタバレになるんですけど、 主人公たちの命を救った現象を引き起こしたのは いま現実の日本で、今後のエネルギー源かもと期待されている 「あの資源」だというのですもの。 病理、薬学、軍事、エネルギーなど さまざまな知識を織り込んで作り上げたリアリティの上に 一点、SFともファンタジーともとれる「モノ」を盛り込んだ 壮大なエンターテイメント作品です。 ふむふむ、「このミステリーがすごい」のランキングは やっぱり信用度が高いわ。 秋の夜長、歯ごたえのある長編を読みたい人にはおすすめの作品です。 ただ、タイトルになっているジェノサイド、集団殺戮については 「本当に世界ではこんなことが起こっているのだろうか?」と 胸が苦しくなる描写があります。 人によっては、その先を読み進める気力を失ってしまうかもしれません。 小説の中のこととは言え、それくらいキツい場面でした。 これまたネタバレになって失礼しました。 でも、それに耐えられないかたは通り過ぎた方が良い作品かも知れません。 ブログランキングにエントリーしています。 もし記事を気に入っていただけたなら、クリックよろしくお願いします。 ↓ 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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