諸君、ご壮健かな。
さて、ここは。
府中。
私が士官学校時代からお世話になりっぱなしの街だ。
そしてここには、その頃から通いつめる店があった。それは。
みのる屋。
おじさん店員たちが客よりも多い店。アニメとオモチャのお宝と夢がたくさん詰まった、ワンダーランドであった。
あのごった煮のような店頭も。
いまや、こじゃれショップ。
なぜか?
そう。
再開発ですごいビルディングが建った。
あの怪しい路地で古本見ながら、ラーメン食べた思い出も、士官学校時代に特殊任務(アルバイト)をした店も、みーんな無くなった。
センチメンタルになるまい。なるものか。
しかしそんな中、みのる屋はしぶとかった。
こうして仮店舗に移転して営業していたのだ。
復活したのだ、手塚先生の火の鳥のごとき永遠の命をもって!
しかし、それも今は。
もぬけの殻。
あの路地にあったラーメン屋は、新しいビルに入った。そして変わらず行列。
でもみのる屋はそこにはない。
こうして記憶にだけ残る。そんなことが多くなるのは、哀しいような。
いや、得したような。
うん、得しているのだ。