こんにちは、さくらです。
前回はみなさんから送っていただいた得点開示の情報から合格最低点を探ってみました。
今回は内申点や学力検査の得点分布から合否との相関を探っていきたいと思います。
高校受験のためにと学校の成績アップに日々努力している中学生は少なくないでしょう。
(もちろん日々努力することはよいことです)
しかし、千葉県の公立高入試は内申135点+学力検査500点という内申比率の低い入試になっています。
内申点と合否の相関を知ることは、受験生が学校の勉強にどの程度力を入れるべきなのかの指針になるでしょう。
ところで、合格最低点はデータ数が少なくても運がよければかなり正確に見つけられます。
しかし分布を探るとなるとデータ数が物をいいます。
データが多ければ多いほど情報の信頼性は高く、少ないほど情報の信頼性は低くなります。
今年集まったデータ数は最も多い県船橋・前期でも38件です、これは受験者663名のわずか6%弱です。
この程度のデータ数では信頼性の高い情報を得ることは難しいと思います。
無理は承知の上で情報を取り出そうとしていますので、今回のコラムは参考程度にご覧になってください。
特に合格者の学力検査最低得点や最低内申点は、実際と大きく違っている可能性がありますのでご注意下さい。
今回見ていくのは情報数が多めだった、県船橋、東葛飾、佐倉の前期選抜です。
後期選抜は不合格の報告が非常に少なく、合否の分布がほとんどわからないので見送りました。
ところで、今年は情報提供が県船橋に集中しており、県船橋以外の学校は正直言ってデータ数が厳しいです。
(県船橋向けの塾を営んでいる身としては、「県船橋情報ならさくら」というイメージはありがたいですが)
ただ、見るのが県船橋のみでは、分布から読めるのは県船橋の特徴になってしまいます。
多少厳しくても複数校見ることによって、公立上位校入試の全体像が見えるのではないでしょうか。
合は合格者、不は不合格者のそれぞれ1名を表します。
内申点は1年〜3年の9教科の合計値「5段階×9教科×3学年=135点満点」で、算式1で修正前の素点を掲載しています。
(データの信頼性は修正後のほうが高いのですが、開示するまでわからないデータでは受験生の参考にならないのではと考えました)
学力検査の得点はボーダーラインから遠い得点はカットしています。
合格最低点は前回のコラムに掲載したものです。
県立船橋 前期 情報数38件(合格16件、不合格22件)
実質倍率3.45倍 合格最低点は510.5点か511点(内申135点×0.5+学力検査500点)
【内申点】 合格者の最低内申点 114点 (後期の最低内申点は 118点)
130〜135 合 合 合 不 不 不 不
125〜129 合 合 合 合 合 合 合 不 不 不 不 不 不 不
120〜124 合 合 合 不 不 不 不 不 不 不
115〜119 合 合 不 不 不
110〜114 合 不
【学力検査】 合格者の学力検査最低得点 448点 (不合格者の学力検査最高得点 452点)
460〜464 合 合 合 合 合 合
455〜459 合 合
450〜454 合 合 合 合 不
445〜449 合 不 不 不 不 不
440〜444 不 不 不 不 不 不 不 不
435〜439 不 不
県船橋は合格も不合格もかなりの数が集まりましたので、かなり実態を現しているデータだといえるでしょう。
内申比率が低いこともあり、内申点はほとんど合否に関係していないように見えます。
学力検査の得点がそのまま合否に現れている感じです、配点どおり学力検査勝負の入試だといえるでしょう。
東葛飾 前期 情報数15件(合格9件、不合格6件)
実質倍率3.04倍 合格最低点は563点 (内申135点+学力検査500点)
【内申点】 合格者の最低内申点 120点 (後期の最低内申点は 109点)
130〜135 合
125〜129 合 合 合 不 不 不
120〜124 合 合 合 合 合
115〜119 不 不
【学力検査】 合格者の学力検査最低得点 437点 (不合格者の学力検査最高得点 448点)
455〜459 合 合 合
450〜454 合 合
445〜449 不
440〜444 合
435〜439 合 合 不 不
430〜434 不
425〜429 不
データ数が少なく、しかも不合格が少ないので傾向が見えにくいです。
(倍率がほぼ3倍ですから、合否が1:2に近いとより実態が見えてくるでしょう)
120点台後半の内申点でも不合格が複数いるのに対して、学力検査の方は430点台後半で合否がほぼ分かれます。
内申点を圧縮しない東葛飾でも、合否は内申点より学力検査で決まるといってよいでしょう。
佐倉 前期 情報数11件(合格4件、不合格7件)
実質倍率2.68倍 合格最低点は539点〜547点の間(内申135点+学力検査500点)
【内申点】合格者の最低内申点 109点 (後期の最低内申点は 113点)
130〜135 不
125〜129 不 不
120〜124 合 不
115〜119 不 不
110〜114 合 合 不
105〜109 合
【学力検査】 合格者の学力検査最低得点 420点 (不合格者の学力検査最高得点 412点)
435〜439 合
430〜434 合
425〜429
420〜424 合
425〜429
420〜424 合
415〜419
410〜414 不 不
405〜409 不
佐倉もデータ数は少ないですが、合否の人数バランスはほぼ実態通りです。
ただ、このデータの内申点との相関の無さはちょっとどうかと思います。
学力検査のほうは410点台後半でバッサリですね。
3校の選抜結果を見てきましたが、共通してわかることは「合否を左右するのは学力検査の得点」であることです。
どんなに高い内申点を持っていても安心ではないことがわかるでしょう。
公立上位校入試では学力検査でしっかり点数を取らなければ合格はできないのです。
3年生は内申点135点のうち90点分(1・2年生の分)がすでに確定しています。
残る45点のために定期テスト対策に力を入れすぎるのは得策ではありません。
学力検査には500点も残っているのですから、優先すべきは入試得点力=受験勉強だということをしっかり認識しておきましょう。
(ただしオール4を切ると私立安全校の選択に制限が出るので注意しましょう)
公立上位校志望なのにまだ学校中心の勉強をしている人は、今すぐ受験勉強中心に変えましょう。
受験勉強と言われても何をしたらよいかわからない人はさくらweb進学塾でも指示をしています、ぜひ参考にしてください。