接触後、同機は着陸したが滑走路を南側に逸脱、横滑りしてほぼ180度回転し、進入してきた東側を向いて滑走路横(南側)の芝生エリアに停止した。
事故機はアンテナとの接触により左主翼が損傷しエンジンカバーが脱落、左側エンジンから発煙があった。
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乗客・乗員計81人(乗客73人、乗員8人)は全員が緊急脱出用スライドで脱出し、徒歩で空港ターミナルビルへ退避した。
脱出の際、乗務員による避難誘導は無く、開いたシューターを使って乗客同士が助け合って脱出した。
事故時の空港周辺の天気は小雨で、風速は約1mであった。
また、空港の南に霧が、東側にやや発達した雨雲が発生していた。事故の前日から大気の状態は不安定で、西から寒冷渦も接近していて気象庁は「雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報」を数回出し注意を促していた。
もちろん、事故の原因については事故調査の結果を待たなくてはならない。
私の懸念としては、昨今の日韓関係の緊張や二年前のサンフランシスコでのアシアナ航空214便の事故、さらに別会社とはいえ大韓航空86便のナッツリターン事件とかの悪いイメージから来る国民感情から真の事故調査から離れて行かないかということだ。
韓国の航空会社というのは地方の空港および住民にとって非常に便利な航空会社だ。
韓国の会社はソウル・インチョンという巨大な国際ハブ空港から日本の地方空港に乗り入れ往復の運航を行う。そしてインチョン空港から世界へ乗り継ぎが可能になる。
日本の国益になるかならないかは別として、住んでいる住民にしてみたら東京に行くよりもスムーズに旅行ができるというメリットがある。
私も以前、日本でパイロットをしていた時にはこの広島空港に何度もフライトをした。そして、今回のアシアナ航空が行ったRNAVアプローチを何度か経験したことがある。
反対側の滑走路にはILSというより精度が高いアプローチ方式が設定されているのだが、風向きの関係でRNAVアプローチを行ったのだと思う。
ざっと見ただけでも、天候が悪かったこと、夜間であったこと、ILSではないRNAVアプローチを行ったということ、等、悪い条件が重なっている。
私の個人的な考えなのであるが、なぜ今回事故が起きた滑走路側にILSを設置しないのか、ということだ。
広島空港というのは標高が高く、霧が発生しやすい。悪天になり易い要素がままある。
もし理由が地形の関係とILSの設定基準上できないのであるなら、設定基準を変えればいいのではないだろうか?
ILSという進入方式は世界中で普及しており、精度が高く信頼できるシステムだ。パイロットにとっても精度の高いデータを非常にわかりやすく使うことができて、確実に安全な着陸に寄与していると思うのは私だけではないはずだ。
もしこれが、「空港運用コスト」「設置するコスト」などで設置されないということだけはゆめゆめないことを祈りたい。
決して無条件にパイロットを擁護するつもりはないが、同じパイロットとして事故が起きた真の理由、心理的な問題、制度の問題、施設の問題を事故調査官には明らかにしてもらいたいと思う。
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