【夕顔109-2】「かの人」って、頭or左?
源氏物語イラスト解釈です
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれています。
【今回の源氏物語】
かりにても、宿れる住ひのほどを思ふに、「これこそ、かの人の定め、あなづりし下の品ならめ。その中に、思ひの外にをかしきこともあらば」など、思すなりけり。
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☆ 「かの人」とは…? ☆
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「下の品(しな)」っていうのは、
第2帖「帚木(ははきぎ)」の
「雨夜の品定め」のくだりで、
左馬頭がぐだぐだと語ってましたよね~!
…けっこう長々と語っていたので、
誰が、何を言ったか、
めちゃ忘れてるぅ~;;
(;゚;∀;゚;)
かりにても、宿れる住ひのほどを思ふに、「これこそ、かの人の定め、あなづりし下の品ならめ。その中に、思ひの外にをかしきこともあらば」など、思すなりけり。
問)傍線部の説明として最も適当なものを選べ。
1.頭中将の否定した、下品な女性にちがいない。
2.左馬頭が侮るべきと定めた、下品な女であるのだろう。
3.藤式部丞が指摘し、見下した下っ端の娘であるはずだ。
4.左馬頭が皮肉った、下等な娘であるに違いない。
5.頭中将が意見し、軽蔑した下等な身分の女なのだろう。
雨夜の品定め☆
厳密に言えば、
頭中将が、下の品(身分)の女性を、
定め(意見を出し)て、
あなづり(軽蔑)したんでしたね。
((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
それを受けて、
左馬頭が、上品、中品、下品の分け方など
じっくり解説していったのです。
ならば…
…でもね。
誰が何て言ったか覚えてなくても、
今回の選択肢のポイントは、
「定め(定む)」
「品(しな)」
の2つでございます。
【定む(さだむ)】
【他動詞:マ行下二段活用】
①決める。決定する
②意見を出し合う。議論する
③治める。安定させる
【品(しな)】
【名詞】
①階段。段
②階級。身分。家柄
③品格。家柄
④事の成り行き。事情
Weblio古語辞典より
1.頭中将の否定した、下品な女性にちがいない。
2.左馬頭が侮るべきと定めた、下品な女であるのだろう。
3.藤式部丞が指摘し、見下した下っ端の娘であるはずだ。
4.左馬頭が皮肉った、下等な娘であるに違いない。
5.頭中将が意見し、軽蔑した(○)下等な身分(○)の女なのだろう。
正解…5