【夕顔136-3】古文単語「はかる」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
と、いと若びて言へば、「げに」と、ほほ笑まれたまひて、
「げに、いづれか狐なるらむな。ただはかられたまへかし」
と、なつかしげにのたまへば、
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今回出てきた古文単語
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■【と】…引用の格助詞
■【いと】…とても
■【若び】…バ行上二段動詞「若ぶ」連用形
※【若(わか)ぶ】…幼げに振る舞う
■【て】…単純接続の接続助詞
■【言へ】…ハ行四段動詞「言ふ」已然形
■【ば】…順接の接続助詞
■【げに】…なるほど
■【と】…引用の格助詞
■【ほほ笑ま】…マ行四段動詞「ほほ笑む」未然形
■【れ】…自発の助動詞「る」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【げに】…なるほど
■【いづれ】…どちら
■【か】…疑問の係助詞
■【狐(きつね)】…キツネ
■【なる】…断定の助動詞「なり」連体形
■【らむ】…現在推量の助動詞「らむ」連体形
■【な】…念押しの終助詞
■【ただ】…ただ
■【はから】…ラ行四段動詞「はかる」未然形
※【はかる】…化かす
■【れ】…受身の助動詞「る」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」命令形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒夕顔)
■【かし】…念押しの終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【なつかしげに】…ナリ活用形容動詞「なつかしげなり」連用形
※【なつかしげなり】…親しげだ
■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ば】…順接の接続助詞
◇ 今回は「れ」に注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「はかる」 ☆
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と、いと若びて言へば、「げに」と、ほほ笑まれたまひて、
「げに、いづれか狐なるらむな。ただはかられたまへかし」
と、なつかしげにのたまへば、
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.ただ私は誰か推し量ってみてくださいな
2.ただただ計略を練って私を騙してくださいな
3.ただ私と夜をともにしてくださいな
4.狐のように美しく接していてくださいな
5.狐に化かされたと思って身を任せなさいな
「はかる」という言葉は、
現在でもいろいろ漢字がありますよね。
【はかる(量る・計る)】
【他動詞:ラ行四段活用】
①おしはかる。推量する
②予測する。予想する
③機会をとらえる。見はからう
④計量する。測定する
*全訳古語例解辞典(小学館)より
【はかる(謀る・企る)】
【他動詞:ラ行四段活用】
①相談する
②くわだてる。たくらむ
③計略にかける。だます
*全訳古語例解辞典(小学館)より
もともと、和語としての「はかる」は、
上記のように、いろいろな意味を持っていました。
それを、漢字表記にかえることに
無理があったのかもしれませんね;;
!(´Д`;)
今回の「はかられたまへ」は、
直前に「狐(きつね)」とあるので、
「だます・化かす」の意味でとらえると
すっきり理解できそうですよ!
(人´∀`)
正解…5
と、いと若びて言へば、「げに」と、ほほ笑まれたまひて、
「げに、いづれか狐なるらむな。ただはかられたまへかし」
と、なつかしげにのたまへば、
● 過去記事リンク
■いと
■げに
■いづれ
■か・かは
■れ・られ
■かし
■なつかし
■~げなり
■のたまふ
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