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『中国について語ろう①』三橋貴明 AJER2014.10.14(5)

http://youtu.be/1dTfhR8UNKE

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一般参加可能な講演会のお知らせ

2014/11/04 『Voice』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」

小浜逸郎氏、藤井聡氏、三橋貴明氏、柴山桂太氏が安倍政権の経済政策を斬る! http://voice.peatix.com/

2014/11/14 東京都トラック協会 ロジスティクス研究会 三橋貴明氏 講演会 テーマ「生産性向上のためのインフラ整備-運送サービスで考える-」

http://ws.formzu.net/fgen/S54394876/

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 KADOKAWAちょくマガ「ちょく論」で、「三橋貴明の経世済民論」の連載が始まりました。第一回は「人口減少と経済成長(前編)」です。


 ちょく論では、わたくしの他に中野剛志先生、佐藤健志先生と、お馴染みの皆様が連載中です。


 産経新聞に登場しました。


経済評論家・三橋貴明氏「先進国になり損ねた国は放置」「出国停止は拉致と同等」
http://www.sankei.com/affairs/news/141022/afr1410220003-n1.html


 さて、10月の月例経済報告が報道されました。予想通り、基調判断引き下げです。


景気 生産もたつき 10月月例、雇用堅く「回復」保つ
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO78716570S4A021C1EE8000/
 政府は21日、10月の月例経済報告をまとめた。消費の足踏みで自動車などの出荷が減り生産が減少したことを踏まえ、基調判断を2カ月続けて引き下げた。一方、雇用環境は底堅いため「緩やかな回復基調」との見方は維持した。景気が勢いを取り戻すには出荷の拡大が焦点になる。
 10月の月例報告では、基調判断を9月の「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」から「このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」に下方修正した。「一部」という表現を削除したのは、9月に判断を引き下げる要因となった消費に続いて、10月は生産も停滞してきたためだ。

 鉱工業生産指数は8月に前月比1.9%下がった。4月の消費増税後、自動車などの出荷落ち込みが続いたことが響いている。指数は1月をピークに低下傾向にあり、生産の判断は9月の「弱含んでいる」から「このところ減少している」に下げた。「減少している」と表現するのは2012年11月以来、約2年ぶりだ。(後略)』


 甘利大臣は、21日に記者会見し、
「景気全体に完全にブレーキがかかってはいない。回復基調にあることは間違いない」
 と、例により意味が良く分からない発言をしています。回復基調とは、これまた抽象的な表現でございますこと。


 日本チェーンストア協会が21日に発表した9月の全国スーパー売上高は前年同月比1%減少で、6か月連続で前年割れとなり、しかも8月より減少幅が拡大してしまいました。


 コンビニエンスストアが1.3%の減少。百貨店が0.7%減少。個人消費の指標となる小売主要4業種の販売統計は、全て前年を下回ってしまいました。政府が「見込んでいた」V次回復など、現実には起きていません。


 特に、実質賃金の低下やガソリン価格の高止まりは「地方経済」にダメージを与えています


 食品スーパー業三団体の発表によると、関東が1.3%増加だったのに対し、近畿は2%減少。中国四国が1.3%減少。東京圏を除く日本の地方は、未だ消費減少という「需要減」が継続していることが分かります。


 ところで、日本経済新聞の記事では、
「雇用固く「回復」保つ」
 と見出しが打たれていますが、雇用情勢が底堅く推移しているのは確かです。とはいえ、問題は雇用の「質」です。なぜならば、現在の日本が抱えている問題は、
「実質賃金の低下による、実質消費の減少
 であるためです。


 有効求人倍率を見ると、確かに1.09と上向いてはいますが、正社員に限ると0.68で頭打ちになってしまっているのです。(原数値だと0.67)


【日本の有効求人倍率・正社員有効求人倍率の推移(季節調整済み)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#Yuko


 フリードマンではないですが、消費を「安定的」に拡大するためには、いわゆる「恒常所得」が重要になります。さらに、雇用の安定化も必須です。


 国民の雇用が安定し、さらに恒常所得(定期的に入ることが予想される所得)が上昇して初めて、消費が「安定的」に増えていくことになります。住宅や自動車などの高額商品の購入も、所得が安定的に増えて初めて「最大化」されることになるでしょう。


 我が国は、少子高齢化により生産年齢対総人口比率が低下していく「構造」を持っています。ということは、実は政府が「放置」しておくだけで、国民の実質賃金が上昇し、雇用の安定化も(以前よりは)達成される可能性があるのです。無論、公共事業、介護報酬、診療報酬など、政府の支出により需要規模が決定される分野については、「市場」に従い、労務単価を引き上げる政策を採らなければなりません。


 それにしても、生産年齢人口比率の低下が人手不足をもたらし、人手不足が実質賃金や正社員を増やしていくという「因果関係」は、普通に推測できるわけでございます(藤井先生ぽく書いてみました)。


 それにも関わらず、政府は相も変らぬ「財政均衡主義」に囚われ、公共事業を抑制し、介護報酬や診療報酬を切り詰めようと図り、さらに消費税増税で実質賃金を強制的に引き下げました。


 加えて、配偶者控除の廃止(復活してきました)や派遣労働の拡大、そして外国移民(外国人労働者)の受入拡大と、実質賃金を引き下げ、雇用を「不安定」にする政策を推し進めています


 しかも、消費税増税と法人税減税の組み合わせは、すでにアメリカの実状が否定した「トリクルダウン政策」になります。税金は低所得者層を含め「平等」に徴収し、企業に「無条件」の減税をすることで、国内への投資を増やしてもらうという。まさに「トリクルダウン期待」の組み合わせになりますが、残念ながらグローバリゼーションが進んだ世界では、「国内」にトリクルダウン(滴り落ちる)かどうかは「不明」なのです。何しろ、国境を越えた資本の移動は、すでに自由化されてしまっています。


 消費税増税という「国民の負担」で法人税の税率を引き下げ、「外国」にトリクルダウンされてしまう可能性に対し、政府はまともな「解決策」を提示したことがないのです。無論、日本で法人税率を引き下げると、増加した企業の純利益の多くが「内部留保」に回ることになるでしょう。


 対外直接投資(外国での工場建設など)や内部留保がどれだけ増えたところで、国民に雇用が生まれるわけではありません。すなわち、「国内の所得(GDP)」は増えないのです。


 さらに、消費税は、
「消費をすると、所得とは無関係に税率に基づき徴税される」
 税金であるため、消費性向(所得から消費に回す割合)が高い低所得者層ほど、税負担が重くなってしまいます。支払った消費税の「税額」と所得を比べると、実質的な税率が高所得者層が低くなり、低所得者層が高くなってしまうのです。


 すなわち、消費税はそれ自体が「格差拡大効果」を保有していることになります。日本国内の所得格差が拡大してしまうと、中間層を増加させ、消費を最大化し、内需中心で経済成長するという「国民が豊かになる日本」は、取り戻せないまま終わるでしょう。


 現在の安倍政権の政策は、その多くが日本経済の問題を解決するにあたり「逆効果」なのです。


 安倍政権に「賃金主導型の経済成長」路線の政策を推進させるためにも、今、日本国民が声を上げなければならないのです。わたくしたち日本国民が日本国の「主権者」である以上、他人任せにしてはなりません。


「賃金主導型の経済成長を!」に、ご賛同下さる方は、

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