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『第零次グローバリズム(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.8.22

https://youtu.be/-5uKaphgykI
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 アメリカのマティス国防長官は、韓国国防相との電話会談で、今後、朝鮮半島周辺で、原子力空母や爆撃機といった「戦略兵器」を定期的に展開させることを明らかにしました。もちろん、核実験を強行した北朝鮮の挑発を受けたものです。


 また、米韓合同軍事訓練も強化するとし、
「北朝鮮の挑発を抑制し、合同防衛体制を一層強化する」
北朝鮮がどんな攻撃をしようとも、(米軍の)『圧倒的な対応』に直面する
 と、発言。

 自民党の石破茂元幹事長は、昨日、テレビ朝日の番組に出演し、北朝鮮による核実験強行を踏まえ、日本国内への米軍核兵器配備の是非を議論すべきと発言。いわゆる、非核三原則の見直しというわけでございますね


 ただし、石破氏は日本の核保有については否定しています。アメリカ「様」に守って頂く、というわけでございますな


     


  さて、実質賃金。


『7月の実質賃金0.8%減=2カ月連続マイナス-厚労省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090600330&g=eco
 厚生労働省が6日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、現金給与総額(名目賃金)の伸びから物価変動の影響を差し引いた実質賃金は前年同月比0.8%減と2カ月連続のマイナスになった。夏のボーナスなど特別支給分が前年割れした影響で、下落幅は2015年6月以来、25カ月ぶりの大きさとなった。
 基本給は伸びており、厚労省は「基調として賃金は緩やかに増加している」(雇用・賃金福祉統計室)と分析している。
 基本給に残業代、ボーナスなどを合わせた現金給与総額は0.3%減の37万1808円と14カ月ぶりのマイナス。このうち基本給に当たる所定内給与は0.5%増の24万2487円。残業代など所定外給与は0.1%増の1万9165円、ボーナスなど特別に支払われた給与は2.2%減の11万156円と大きく落ち込んだ。』


 現金給与総額の実質賃金が二か月連続マイナスとはいっても、別にそれ以前伸びていたわけではありません


【日本の実質賃金(2015年平均=100)の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_56.html#JC0717


 現金給与総額ベースの実質賃金は、昨年12月を最後にプラス化したことがないのです。しかも、16年のプラス化は名目賃金の上昇というよりは、物価下落の影響です。


 わたくしが重視する「きまって支給する給与」がプラス化したのは、昨年9月が最後です。

 厚生労働省は、基本給が伸びており、「基調として賃金は緩やかに増加している」などとコメントしていますが、基本給を意味する決まって支給する給与にしても、実質でみると前年比キープがやっとというのが実情です。


 何度も書いていますが、実質賃金は生産の「量」で決まります


 例えば、生産量が変わらない状況で、物価上昇分、名目賃金が上昇したとします。すると、名目賃金上昇率と物価上昇率がイコールになるため、実質賃金は上がりません。


 所得とは、付加価値(モノ・サービス)の価格x生産量で決まります。価格のみが上昇しても、生産量が増えなければ、実質賃金は上がらないのです。


 そして、生産量が増えるためには、二つ、条件が満たされなければなりません。


〇 需要が十分に存在する
〇 需要を満たすために生産性向上が起きる



 現在の実質賃金の低迷は、要するに我が国が未だに需要不足であり、十分な生産性向上が起きていないことを意味しているのです。それはまあ、企業が内部留保を貯め込み、投資を抑制している有様で、生産性が上がるはずがありません。


 そして、なぜ企業が投資を抑制するかといえば、たとえ瞬間的に需要(仕事)が増えたとしても、継続するとは全く思わないためです。二十年もデフレが続いたわけですから、無理もありません。


 生産性向上が起きない我が国では、企業は人件費については基本給は可能な限り抑制し、高収益を「一時金」として従業員に還元します。現金給与総額には、この「一時金」が含まれるのです。


 というわけで、昨年の夏の現金給与総額の実質値は、かなり高い伸びを見せました(物価下落分もありますが)。その反動で、今年の夏は現金給与総額ベースの実質賃金が大幅なマイナスになってしまったという話です。 


 従業員側からしてみれば、一時金でボーナスが増えたとしても、これまたその所得が継続することが信じられないわけです。と言いますか、実際に17年は減ったのです。


 これでは、安定的に消費を増やすはずがありませんし、住宅投資も伸びません。


 結局、現在の日本の実質賃金の状況は、誰かが「安定的に需要を拡大する」必要があることを示しています


 すなわち、府の長期の財政出動による需要拡大
以外に、我が国の実質賃金を安定的に上昇させる手段はないのです。
  
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