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『財務省が日本を滅ぼす(その2)①』三橋貴明 AJER2017.11.21
https://youtu.be/UXDrKkdq3yk
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 先週に引き続き、今週も金曜日は愛媛で講演で、松山空港に飛びます。(偶然ですが) 眠い~・・・・。
 
 改めて、経済とは総需要(名目GDP)が供給能力(潜在GDP)を上回るインフレギャップ期(=人手不足期)に、ギャップを「設備投資」「人材投資」「公共投資」「技術投資」の四つの投資による生産性向上で埋めようとしたときに成長します。

 すなわち、経済成長の条件は以下の二つ。


● インフレギャップであること
● 生産性向上でギャップを埋める


 インフレギャップを生産性向上で埋めると、生産者一人当たりの「所得」も拡大します。理由は、生産性向上が「生産者一人当たりの生産量の拡大」であり、同時に実質賃金の上昇になるためです。


 実質賃金は、少なくともマクロ的には生産性向上(及び労働分配率上昇)によってしか上昇しません。


 生産性向上で実質賃金が上昇した国民は、消費や住宅投資を拡大します。すると、せっかくインフレギャップを生産性向上で埋めたにも関わらず、需要が拡大するためにまたもやインフレギャップになります。


 さあ、どうするか。もちろん、生産性向上以外に道はありません。


 インフレギャップ→生産性向上→実質賃金上昇→消費や投資(=需要)の拡大→インフレギャップ。


 これこそが、資本主義における経済成長の黄金循環なのです。


【インフレギャップとデフレギャップ】

http://mtdata.jp/data_46.html#Gap


                     


 さて、上図のインフレギャップになったとして、我々の前には「三つの道」が存在することをご理解ください。


(1) インフレギャップを受け、生産を止める
(2) インフレギャップを外国人労働者で埋める
(3) インフレギャップを生産性向上で埋める


 昨今、人手不足すなわちインフレギャップが拡大しているコンビニ(小売りサービス)業界が、まさに上記の三つの道の「全て」を進もうとしており、分かりやすいのでご紹介。


ファミマ「24時間見直し検討」業界の行方は?
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20171115-OYT8T50047.html
 コンビニエンスストア大手のファミリーマートが24時間営業の見直しを検討していることが明らかになった。人手不足が深刻になり、人件費も高騰しているためだ。一部の店舗で深夜など客が少ない時間帯に実験的に店を閉め、採算性を見極めるという。日本でコンビニといえば「24時間営業が当然」という認識が定着している。』


外国人技能実習  職種にコンビニ運営業務も 業界が申請へ
https://mainichi.jp/articles/20171205/k00/00e/040/278000c
 コンビニ各社が加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」(東京都)が年明けにも、外国人技能実習制度の新たな職種に、コンビニの運営業務を加えるよう国に申請することが、同協会への取材で分かった。(後略)』


ローソンが「無人」店導入へ 首都圏2~3店、深夜帯に
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20171204003986.html
 ローソンは4日、深夜や早朝の午前0時~5時は従業員が接客せずに「無人」で決済できる店舗を来春から導入する、と発表した。首都圏の2~3店舗で実験的に始める予定だ。コンビニエンスストアでは人手不足が目立ってきており、解消のために新型店を導入することにした。(後略)』


 ファミリーマートの24時間営業見直しが(1)で、フランチャイズチェーンの技能実習拡大申請が(2)で、ローソンの「無人店」が(3)になります

 上記三つのパターンのうち、国民の所得が拡大するのは(3)のみです。(1)及び(2)は、間違いなく国民の所得が減ります。


 実に分かりやすいので、コンビニエンスストアという「小売りサービス」を例にとりましたが、全ての産業において今後の我々は(1)(2)(3)の選択を迫られることになります。

 当然ながら、資本主義国であるならば、(3)を選択するべきなのです。人手不足を生産性向上で解消し、国民が豊かになり、継続的な経済成長が続く。これこそが、資本主義の王道なのです。


 もっとも、過去20年間も総需要不足というデフレーションにより苦しんだ日本国民は、インフレギャップを(2)の外国人労働者で埋めようとしがちです。

 インフレギャップを外国人労働者で埋めることは、我が国を「移民国家」と化す上に、生産性向上の投資を不要とし、経済成長を抑制。国民の実質賃金を引き下げる上に、資本主義の王道に反しているのです。

 人手不足を生産性向上の投資で埋める。これ以外には正しい道は存在しません。


 この当たり前の「真実」を、日本の経営者に思い出してもらうために、わたくしは来年2月に"人手不足解消合宿" を箱根で開催いたします。是非、ご参加下さいませ。
http://www.38news.jp/sp/mituhashisemi/2018_02.php


「人手不足は生産性向上で埋める」に、ご賛同くださる方は、↓このリンクをクリックを!

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