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『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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以前から報道されていましたが、来月、閣議決定される骨太の方針2018において、事実上の移民国家化である外国人就労受け入れ拡大が明記される可能性が高まってきました。
『外国人就労、受け入れ拡大の背景 「実習」名目に限界 労災や未払い、人権配慮も課題に
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180521-00010007-nishinpc-soci
政府が新たな在留資格を設け、外国人就労の拡大に大きくかじを切るのは、留学生や技能実習生が技術の習得を名目としながら、実際は人手不足の業界を支える重要な労働力となっている現状に「限界」が生じているからだ。外国人を「労働者」として正面から受け入れることで、慢性的な人材不足を補う効果が期待されるが、事業者側が「安価な労働力」として活用する懸念は残り、人権上の配慮も重要な課題となる。
総務省によると、2017年10月現在の日本の生産年齢人口(15~64歳)は約7596万人だが、30年には約6773万人に減少。一方、厚生労働省の調査では、17年10月現在の外国人労働者数は約128万人で、3年間で50万人増加した。このうち技能実習生と留学生のアルバイトが約55万人を占め、前年比23%増。労働力として欠かせない存在となっている。(後略)』
さて、改めて我が国は人手不足だ、人手不足だと言っており、確かにその通りではありますが、実は大正時代から高度成長期にかけては、現在以上に人手不足でした。
理由は簡単。生産年齢人口比率が低かったためです。
【日本の総人口(左軸)と生産年齢人口比率(右軸)の推移(長期)】
http://mtdata.jp/data_60.html#jinko
図の通り、戦前の日本の生産年齢人口比率は、常に50%台後半で推移していました。すなわち、現在よりも低かったのです。
挙句の果てに、「軍隊」に相当なリソースがとられたわけですから、当時の日本の人手不足感は半端なかったでしょう。
韓国併合後、朝鮮半島の人々が大挙して日本に「出稼ぎ」に来ようとしました。当初は、朝鮮半島からの出稼ぎを規制していた日本政府ですが、大東亜戦争末期には受け入れます。
それだけ、人手不足が深刻化してしまったという話です。
日本の生産年齢人口比率の低迷は戦後も続き、65%に到達したのは1960年代のことでした。
ところで、
「産めよ増やせよ」
と、やっていた戦前において、なぜ生産年齢人口比率が高まらなかったのかといえば、単純に乳児死亡率が高かったためです。
【日本の乳児死亡率と新生児死亡率】
http://mtdata.jp/data_60.html#jinko
日本の乳児死亡率は(日本だけじゃないですが)、戦前は極めて高く、15%前後でした。生まれた赤ちゃんの15%前後は、一年未満で亡くなってしまっていたのです。(ちなみに、現在は0.2%)
というよりも、乳児死亡率が高かったからこそ、「産めよ増やせよ」とやっていたのだと思います。
さて、少子高齢化が終わっていませんので、我が国の人手不足は続きます。とはいえ、戦前も高度成長期も同じ(より酷い人手不足)だったのです。
その人手不足を生産性向上により埋めたからこそ、我が国は経済成長しました。経済成長し、国民が豊かになった結果、子供が増え、しかも医療技術の発展で乳児死亡率が急的に低下し、生産年齢人口比率が高まったというのが「真相」なのでございます。
生産年齢人口が増えたから、経済成長したわけではありません。経済成長したからこそ、生産年齢人口が増えたのです。
つまりは、人手不足だ、少子化だとわめき立てている暇があるならば、その「解決」に勤しむべきなのです。すなわち、生産性向上の投資による経済成長、資本主義の王道です。
ところが、安倍政権は生産性向上の投資は民間に丸投げ、自らは生産性向上のための投資(交通インフラの整備など)はせず、国民の実質賃金を引き下げ、少子化を後押しし、挙句の果てに「移民受入」というわけでございます。
日本は移民さえ受け入れなければ、投資拡大により経済成長することができます。
ところが、それをつぶそうとする勢力(経済界)の政治力が大きすぎ、安倍政権は経団連の言うがままに動く。
移民国家化を拒否する姿勢を日本国民が見せない限り、我が国の将来は現在のドイツでございます。
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