先日、映画「セッション」 を拝見しました。

セッション/V.A
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ジャズドラムを学ぼうと
名門音楽学校に入った青年と、
彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師
の姿を追い掛けていくお話で、
敢えて例えるならば、
スポ根系の音楽映画です。

アカデミー賞に5部門のノミネート、
うち3部門受賞
し、
前評判がすごく良い作品なので、
どんなものなのだろう?と思って見てみました。

確かに、エンターテインメントとしては楽しめるし、
音楽は素晴らしいので、賞をとったのも納得。
これから見る人も、「見てみてもいいと思うよ!」
とオススメできる作品ではあります。

ただ、実は、自分の中で
すごく消化できない部分があったんですよね。

主役と助演のメインキャストに
共感できないところにジレンマがあるというか…。

つまり、
「成長していく魅力的な主人公に
観客が感情移入していく
王道パターン」の作品とは
ちょっと違うんですよね。

「こういう人もいるんだなぁ」と、
誰もが一度は抱いたことのある
“人間らしい愚かさ”を
客観視したまま見る感じ
というか。

ただ、人によっては、
共感出来てしまう人もいるんですよ。

だからこそ、この映画は、見る側の
「人間リトマス試験紙になる」とも言えます。


それについては、後で詳しく書きますね。




(※ここからはネタバレになるので、
これから見る人は見ないでね)


この主人公の青年は、
偉大なジャズドラマ―になるために、
自分の全てを捧げます。

体を駆使して、
時として血みどろになって
ドラムをたたきまくり、
腕を磨いていきます。

さらに芸の高みを目指して、
恋人になる一歩手前の女性には
芸の邪魔になると、一方的に別れを告げ、
さらに自分の不注意で大怪我をしようと、
コンテストでは、「俺のドラムが一番だ」と
代わりの人に演奏させず、
自分がドラムを叩くことに固着します。

つまり、“俺が!俺が!
ばかりなんですよ(苦笑)。


だからこそ、思ったんですよね。
「はて?この青年が言う、
偉大なドラマーとは
どんな人のことなのだろう?」
と。

何のために、そして誰のために
演奏をするのかを忘れていないか?


重要なのは、
観客のための演奏なのでは?
と。

技術を磨くのは大事だけど、
観客を酔わせる音楽は
そんな自己満足的なものではない。

人を思いやれない人に
本当に良い演奏なんて、できるはずがない。
演奏には、ハートが伝わるものだから。

そこを分からないで、
一体何を目指しているの?
と。

特に1人で成り立つ音楽は一部です。
ジャズドラムだけで成り立つ音楽など
あまり聞いたことはありません。

つまり、メンバーとの調和や信頼関係が
音楽の完成度に左右するし、
さらに、自分が加わることで
より作品のクォリティーを上げなきゃ意味がないのに、
大怪我をして、まともに叩けない状態でも、
そんな「俺がやらなきゃ意味がない」
なんて、人に自分の席を譲らない人に、
本当に良い作品は作れるのだろか?と。



私は20代のときは、
売れない劇団員ではあったけど、
そんな私ですら、
シカゴの公演で本番前日に舞台から落ち
足の指を骨折して、まともに歩けなくなった時は、
「自分のせいで、
作品のクォリティーが下がるのは
申し訳なさすぎる」

とみんなの前で泣きました。

観客のため、そしてよりよい作品のために
自分の身を捧げるのが役割だと思っていたし、
それが私にとっての喜びでもありましたしね。

もし代役がいるなら、変わった方がいいとも思ったけど、
シカゴ公演なので、必要最低限の人数しか
こっちに来ていないこともあり、
結局、周りの人に支えられながら、
舞台の上では本番の3日間、走り続けました。
(歩くのもやっとな感じだったので、
そこまで上手には走れなかったけど…)

日に日に足は腫れていったけど、
もう自分の足なんてどうでもいいから、
観客に喜んでほしい、
メンバーみんなに迷惑をかけたくない、
という気持ちで、やり遂げました。

そんな悔しい思いが
むしろ役に感情移入できて、
セリフはいつもよりもよく言えたり(笑)。

終わった時は、
本当にほっとしたし、
仲間に感謝しました。

今振り返れば、いい思い出です。



観客は独りよがりのものをみたいわけではない。

誰の人生でも、おのおの自分が主役。

「俺が!」ばかり言っている人は、
自分が主役の物語しか見えていない。

(視野がせまい)

つまり、観客の人生では
観客一人一人が主役なのだから、
作品を提供するときは、
自分は「その人たちが主役になることを
お手伝いする役割になる」ことも
大事なんですよね。
(※自分をスゴイと思われようとするよりは、
観客に「今日はスゴイものを見られて
良い一日だった」と思ってもらうことが重要)

そういえば、
朝ドラや大河ドラマにも出演している、
人気の脇役俳優さんが、
演じる上で心がけていることについて、
こんなことをおっしゃっていました。

「その場その場の現場で、
作品の高い完成度を目指し、
作品に奉仕の心を持って
なじむようにしています。


そこで変にはみ出そうとすると、
自分の印象は売れるかもしれないけど、
作品の質は落とします」


奉仕の思いを持って、
作品に溶け込むことって、
すごく重要なんですよね。

だからこそ、その方は
元々はミュージシャンなのに、
今ではドラマ、映画でもひっぱりだこです。

そして、そんな奉仕の思いを
もつために邪魔になるのが、
自己顕示欲とエゴ。

そして、単に
偉くなりたい。有名になりたい、という
物事の本質が見えていない欲

それは自分への劣等感からくる
未熟さの表れだったり。

だからこそ、若い時は
誰でも持っているものでもありますしね。

先ほど、人間リトマス試験紙になると
書いたのは、ここにつながります。

エゴの強い人は、
この主人公と先生のエゴに気付けないことも…。


むしろ、
「やっぱり一流になる人って、すごいな」
なんて、共感をしてしまったり…。

私自身、著名人インタビューで、
映画やドラマで主役級の人を
取材することもありますが、
そういう人ほど、視野が広く、
周りに対して思いやりをもてる
魅力的な人だったりするんですよね。


人から愛される人は、
人一倍、人を愛しているんです。



この世の中には、
「自分さえよければいい」
という人は意外と多い。

成長と共に、その価値観の未熟さを
知っている人ではないと、
この映画を見ても
共感して終わりかも。

私自身が、この映画を表現するならば、
“2人の性格の悪い人対決の音楽映画”
でしょうか…(苦笑)。

ただ、だからと言って、
この作品が悪いと言いたいわけではありません。


主人公に共感する映画が全てではなく、
映画やドラマには、
「他人の振り見て我が振り直せ」的な役割も
ありますしね。


そして、何度も言うように、
音楽は素晴らしいです。

(※ただ、それは、この映画がドキュメントではなく、
音楽担当の人が観客に向けて
心をしびれさせる音楽を作っているからでは
あるのですが・・・)



ちなみに、映画を見終わった後、
この映画について色々と調べてみたら、
すごく賛否両論のある映画だったようですね。
YAHOO!ニュースでも話題になっていたり・・・。

それだけ人の心を揺さぶる作品というのは、
世の中的にすごい役割を担っているわけで、
そういう意味では、
やはりスゴイ作品なのかもしれませんね!



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