一難去ってまた一難 | 旅中毒

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やっと、忙しさのピークが過ぎたようです。まだ終わってはいませんが、ついに、この週末は2日とも休めることに。シンドイ2ヶ月でしたわ。ひと月の残業時間が130時間とか、久しぶりに経験しましたよ。昔はこれが日常だったわけですが、よくやってたな私。

 

で、そろそろ忙しいのも終わりそうだなあと思い始めたGW、出勤すべく玄関に座って靴を履き、立ち上がった時。

 

「えっ、いたたた、あれ!?」

 

ストンと尻餅をつくように座り込んでしまいました。腰に痛みが走りまして。ギックリ腰ってやつですかね。これも15年ぶりですね。はあ。でもまあ、何とか歩けましたので、父の腰痛用コルセットを着用し、亡母が癌を患った後に使用していた形見の杖を突いて出勤しましたよ。

 

そしてこの杖生活で、いろいろと実感できたことがありましたね。

 

1日だけ、「もう杖がなくても歩けるし」と杖なしで出勤したのですが、これは大間違いでした。確かに杖がなくても歩けます。私が杖を突くのは、歩く時に腰の痛みを軽減するためにすぎません。が、一足ごとに腰に響く痛みを、杖で逃がすことができない。たまにおかしな動きをしたせいか急に痛みが強くなった時、杖に体重をかけて支えることができない。痛くてつらくて怖い。

 

腰を痛めて以来、他の人たちが私を後ろから追い抜いていくという新鮮な光景を見ております。いつもなら私が他の人を追い抜いて歩いていくのですがね。私はかなり歩くのが早い方でして。そして、杖なしで出勤した日、元気な時なら10分で歩いていた距離を歩くのに40分かかりました。よちよち歩きでしたからねえ。杖を突いているおばあさんにまで抜かされたのはショックでしたわ。やはり杖があった方がいいです。

 

そしてもう一つ、杖を突いていると、周りの人に「こいつは機敏には動けないんだな」とわかってもらえる。これはとても大事なことです。特に、朝の通勤時間帯に大阪・梅田など歩いておりますと、人の流れがかなり怖いのですよ。ぶつかられたら絶対に踏ん張れず転倒するだろうし。流れを横切る時には慎重に後ろを振り返って安全を確かめておりました。走る人が近くに来たら怖くて立ち止まってしまいます。そんな時に、杖があれば相手にも伝わるわけです、私が危なっかしい状態にあるということが。

 

そう言えばね、目の不自由な人が使う白杖も、周りに気付いてもらう効果があると聞きましたね。でも、ひどい話も聞きます。白杖は全盲の人だけでなく弱視の人や視野欠損の人も使うのですが、「見えてる癖に、障碍者のふりをしやがって」と攻撃されることが珍しくないと聞きます。最近の日本は、自分の境遇に不満を持つ人が、「弱いふりをしておいしい思いをしているずるい奴らを許せない」と暴走することが増えています。目に障害がある人だって専用アプリを使うなど工夫してスマホも利用するのに、「スマホを使うってことは見えてんだろ!」と怒鳴りつけてきたり、杖を蹴り上げられたり、もう正気の沙汰ではない。

 

 

私の杖も、「杖なしでも歩こうと思えば歩けるくせに」と言われかねませんね。実際、職場の中では使っていません。なくたって歩けるもの。他に歩いている人もいないからぶつかられる心配もないし、グラついてもすぐ机とかにつかまれるし、しゃがみこんだって他の人の邪魔にもならない。

 

頭ではわかっていたつもりですが、自分が似たような立場になって、少しは実感できた不自由さと恐怖です。

 

もうかなり回復しているので、来週からは杖なしで出勤できるかなーと思ってますが、想像力を使って周りに気を配って生きていきたいと思っています。