ルビーの指輪 | 美奈子の溜息

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閉店時間が近づく

スローテンポな曲が流れ始めると

“もうこんな時間か”

チラッと時計を見て

“チーク踊ろう”

そう言って手を差し伸べるお客様

チークダンスのお相手も仕事のうち

お店のフロアーでゆっくり流れる曲に合わせ

さほど距離もなく

かと言ってもお客様の手は腰に

あたしの手はお客様の背中

もう片方の手を2人で繋ぎリズムに合わせて踊る

君って細いね

指のサイズは?

ドキッ

もしかしてあたしに指輪のプレゼント?

どの指かしら?

右手の薬指

右手の薬指は4号

左手は3号なの

白魚の指なんだね

そして次の日

ネオンが灯ると同時に黒いアタッシュケース持って来店

もしかしてあの中にあたしへのプレゼントの指輪?

彼はボックス席に座り乾杯

話もそこそこにアタッシュケースを開けた

そこには値札が付いたままの沢山の指輪

お店のホステスは“キャーキャー”騒ぎながら指にはめてみてる

君にはこれなんかどう?

赤いルビーの指輪を取りだし指にはめてみてと言う

お値段45万円也

彼の職業はジュエリーのセールスだった

値段もだけど

あの時の淡いドキッは溜息に変わり

「あたしは指輪は自分で買わない主義なの」

“そっかぁー自分へのご褒美や投資しない主義なんだ”

その一言に少しでも彼に胸キュンした自分を呪ったわ