忘れられない夏の恋 | 美奈子の溜息

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あたしの初恋の人の話し

ずっと昔の事だけど・・・。

彼は高校時代、バレー少年だった
昔から背だけは高くて、中学の時に何の気なしに始めたバレーボール
これが本当に面白くて、彼はたちまち虜

仲間と協力して連携プレーを決めた時
捕れない!と思ったボールに滑りこんで指先で上げた時の快感
何より相手のブロックを打ち抜いてスパイクを決めた時の歓声
彼はその全てに魅せられ、バレーボールに夢中

中学の時は弱小校ながらも熱心な顧問の元、エースとして頑張る彼
その甲斐あって彼は都内でもそれなりの強豪と呼ばれる高校の監督に声をかけられ
そこでプレーすることとなった

彼のこの進路を両親はとても喜んでくれた
彼がバレーで頑張ることを、いつも応援してくれてた両親
特に彼のお母さんは彼が高2になるまで本当に熱心に応援していた

 

強豪校でありながらも「楽しくバレーする」ことがモットーだった高校は、厳しくしごかれる時もあれど、監督や先輩の指導には常に愛があった

一年の時からレギュラーとして試合に出場し、監督や先輩からも、「お前はどんどん伸びていく。これから凄く楽しみだ」と期待されてた彼

彼はその熱い期待に答えるべく、毎日練習を重ねた
部活が終わって、最後の片付けが終わったあとも一人で体育館に残って筋トレを続ける
時にはネットの片付けは一人でやると言って練習後にスパイクを100本近く打ち込む

彼は本当に沢山の人に応援されて、いい仲間に恵まれ

最高の環境でバレーをしていた

そんな日々がたまらなく楽しくて大切だった

 

でも彼が高2の春くらいにそんな日々がほころび始めた
彼のバレーを応援してくれていた両親が離婚

なんでも、父親に浮気の疑いがあったとかなんとか
彼は父親に対してものすごく怒ってた

 

彼は母親にとても同情

「これからは俺が一人前の男になって、母さんを支えないといけないんだ」

「私立の高校だから、これからは母さんも仕事頑張るし、俺も奨学金でなんとかやっていくよ」

彼は私にそう話していた

でも、彼の母親は離婚から半年も経たないうちに、新しい男を家に連れてきた
彼はそれが信じられなかったし正直ショックで私と一緒でも上の空

きっと彼には現実を飲み込むことができなかったんだね
それでも母親が、家族が、幸せにやっていけるならそれでいいんだと言い聞かせ、なんとか状況を受け入れることができた彼

 

新しくきた男は、義父だし、すぐになじめるはずもない
なんでも都内の大手銀行に勤めているという、お堅い男らしい
彼はその男のことを、父さんとは呼べない

 

彼にとって別れてしまったけど、元の親父の事が大好きだったから
ちょっとテキトーでだらしない所もあったけれど、彼は父親が大好き
でも、大好きという気持ちだけでは「家庭」は上手くいかない
現実なんて、そんなもんだと今は思う

 

だから母親は実親父と別れ、新しい男性と再婚
単純に、それだけのこと・・・。

 

彼の生活は一変しちゃった・・・・

 

長いから続く

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