日経に「空飛ぶクルマは夢じゃない」という記事があります。空飛ぶクルマはアメリカなどで様々な実験をしている画像が時々報じられており、違和感がなくなっていますが個人的にはさほど魅力を感じないのはなぜでしょうか?

多分、技術の問題より行政やセキュリティ、法制の問題など現実社会とのギャップが大きすぎてそう簡単に解決できないような気がします。でも、夢は追いかけましょう。

アップルはブラックボックスに包まれていた自動車開発についてクックCEOが「アップル社はautonomous car systemに注力している」とついに発表しました。autonomousとは「自主的な」という意味ですので自動運転を一歩進めた運転手なしで動く自動車をイメージされたら良いと思います。辞書を引くと「ロボットカー」と出てくると思います。アマゾンがドローンで商品を配達しようと開発を進めていますが、アップルの自動運転車ができれば配達を無人で行うことができるでしょう。タクシーもウーバーもいらなくなります。

この研究はアメリカのみならず、ドイツを含め、かなり昔から進んでおり、アップルが発表したロボットカーが特段、珍しいものではないようですが、パソコンやスマホの会社がそこに進出することに大きな意味合いがあるのです。

日経の「空飛ぶ…」の記事にもあるようにこの辺りの技術になるとモーターという内燃機関から電気駆動は必須になってくると思います。もちろん、内燃で未来技術が生まれる可能性もありますが、世界基準が電気駆動に移っていけば内燃に固執できなくなるのは目に見えています。部品の多さを含めた産業構造にフレキシビリティがないことが最大の欠陥なのでしょう。

かつて多くの日本の自動車メーカーは国内経済を下支えする使命感で国内生産水準をある程度守ると明言し、日本最大の産業の要として努力してきました。ところがその無理は逆にブレイクスルーを封じた部分もあります。例えば鉄のクルマから炭素繊維に変化させる点においても日本ならばもっと速い展開ができたはずなのですが、産業間の調整があったことはよく知られた事実です。炭素繊維は高いのですが、量産化できれば当然価格は下がり、もっと早い段階での応用範囲はあったと思います。

さて、未来志向について日本は完全にフォロワー(追手)となってしまいました。欧米のアイディアを実現化させるために日本企業が追うというスタイルです。未来のクルマに限らず有機ELも結局先に行っていたはずが追う立場に変わっています。

少し前のブログに日本ではAIの関連産業が遅れていると書きました。上述のアップルのロボットカーはもとよりいわゆる自動運転できるクルマはAIの塊であり、AIを制する者が自動運転を制するといっても過言ではありません。そのAI技術者の給与はエントリーレベルでもアメリカでは30万ドル(年収3300万円)という水準でとてつもない奪い合いが起きています。つまり、巨額の資金力を持たないとAIの開発ができないともいえ、日本企業がその分野で光らないのはそのあたりにありそうです。(日本でこれに太刀打ちできるのは孫正義氏だけでしょう。)

では日本には未来の創造力は生まれないのでしょうか?私はどうしても作ってもらいたいものがあります。それは「タケコプター」であります。ドラえもんのあれほどシンプルで且つ、未来志向のアイディアはありません。ひょいと頭の上に乗せた竹とんぼのようなもので空を飛べるなら空飛ぶクルマはいりません。自動運転のクルマもいりません。

「そんなあほな」と言われるかもしれませんが、発明家とはありえんものを生み出すことに生きがいを感じるものなんです。日本発の「アッと驚く為五郎」(古すぎてごめんなさい)、ぜひともやってもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。