昔は、セクハラもパワハラも、そのように呼ばれる行為は、言葉そのものがなかったので、当然無かったが、同様な行為はもちろんあった。しかし、そこに「ハラスメント」という言葉が与えられたのちは、その言葉の概念に全ての行為が一様にくくられてしまった。こうなると、何がセクハラで何がパワハラなのかわからなくなってしまう。それどころか、何もかもがセクハラ、パワハラと言われかねない状況である。

 

たとえば、昨日ラジオで聴いたところによると、セクハラは男に対してもあり、いい歳の独身男に「男は結婚して一人前だよ」というのもセクハラらしい。

 

こう言われると、もう、何も言えなくなる。だが、考えてみればわかることだが、「ハラスメント」とは、人を困らせること、いやがらせという意味。セクハラの意識など当然なく、真に相手のことを思って「男は結婚して一人前だよ」と言ったのであれば、それは、もし言われた本人がセクハラと感じれば、それは言われた本人にとっては、その言葉はセクハラな言葉ではあるが、それをもってして、言った人間に対し「セクハラした」というのは間違いである。

 

したがって、そうしたときは、態度や言葉で不快感を表し、言った人間に気が付かせなければならない。そして、言った人間がそれに少しでも気が付いたのなら、それ以降の行為はハラスメントである。ただ、気が付いていないことが、社会常識として明らかなハラスメントであるなら、この限りではないことは当然である。