深夜徘徊のあと、ひと眠り。


頂上御来光組の起床時刻です。

山小屋の居間で、身支度。

揃うまでの間、御握りと、魚肉ソーセージ。

ヘッドライトは万全。

念のため、腰に使い捨てカイロを張っておきます。

まだ、真っ暗です。

ストレッチ体操をして、イザ、九合目を目指します。

急な岩場、前後の方々もライトで照らすため、真っ暗ということはありません。

しかし、LEDは眩しい。

目がちかちかします。

行列です。

渋滞するのですが、山道の渋滞は、最適な速度づくりに役立ちます。

このスピードで十分。



この渋滞を見るといつも思うのです。

あの世の旅路も杖をつきながら、前後に人が並ぶとか・・・。

誰も無口で、閻魔の庁に向かうという話。

BGMは、下座音楽でいう「禅の相方」が聞こえてきます。ゆっくりと鐘と太鼓の交互の打ちならし。



暗闇の中で少し滑稽ながら、陰気なこと考えながら、頂上を目指します。




空気は地上の2/3。酸素が取り込みづらい高地です。3700ｍ。

道に蹲る人もいます。

呼吸を忘れていはなりません。




東の空が明るくなりはじめました。

なんとも綺麗な、朱と紺のコントラストです。

あともう少し。

九合五勺からは、体力に加えて、気力です。

とにかく呼吸をして、気圧に負けないよう酸素を取り込みます。

頂上がみえてきました。

   　      　 

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