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カテゴリ:環境問題『不都合な真実』について
『不都合な真実』への判決の中で一番問題にされていたのが1.の「海面上昇規模」です。この判決の「誤り」を一言で言うと「断定してしまっている」ことですね。
1. Burton判事は、この映画の核となる主張には同意するものの、近未来に海水面が上昇するというのは極端な主張である(「それは1000年、いや、それ以上先のことだろう」)と述べた。 (私のコメント) この点について断定はできません。あくまでも「数メートルの海面上昇について現時点では可能性が低いと考えられる」ということです。「日経エコロミー」のコラムで安井至氏も、「起きない可能性が高いが、なんとも言えない。世界的な温暖化防止策が不成功に終わると、3mぐらいの海面上昇を覚悟しておくべきだろう」と述べています。 なぜでしょうか。「北極海が極度に温暖化し、グリーンランドの氷の融解が急速に進むことはないと断言できないから」です。 実は、IPCCが第4次報告で気温上昇の最悪の予測を6.4℃に上方修正したのも理由があります。それは、「炭素循環の負の連鎖」が加速していく可能性が高いからです。 (下の図を参照) そのような状況を背景に「グリーンランド氷床が脆弱化し、大規模な崩壊・流出が起こる可能性があること」について絶対に無いとは誰も言えません。数メートル規模の海面上昇の可能性について、「断定できない」背景にはそのような現状があります。 2009年5月追記 2009年4月16日、以下のような記事が公開されました。やはり、大幅な海面上昇の可能性を「非科学的」として否定することはできないでしょう。 約12万年前の前回の間氷河期の際、氷床の崩壊が原因で、わずか数十年間で海面が3メートル程度上昇したとする研究結果が、(4月)16日発売の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。(・・・) これまで、前回の間氷河期における海面上昇は「数千年の間に非常にゆっくりと」起きたと考えられてきたが、ブランチョン氏とドイツ・ライプニッツ海洋科学研究所(Leibniz Institute of Marine Science)の科学者らは、海面上昇の「急激な」上昇を示す新たな証拠となるサンゴの遺がいを、メキシコ・ユカタン(Yucatan)半島で偶然発見した。 〔参考〕安井至氏はそのHP(⇒検証8)の中で次のように述べています。 温室効果ガスが増えた状態で、温度が過去にない速度で上昇する。これは、地球にとって少なくとも、過去数10万年では初体験でしょう。(・・・) グリーンランドの氷には、縦に割れ目ができていて、氷が融けた水が、一番下の岩盤まで到達しているらしいのです。となると、岩盤と氷の間に水が入り込み、それが潤滑剤の役割を果たして、氷河の流れる速度が2倍ぐらいになっている、という観測結果もあるようです。 氷の表面からちょっとずつ融けるのであれば、全部融けるのに、それこそ数1000年掛かるだろうと考えられているのがグリーンランドの氷ですが、氷河の流れが速くなって、一気に海に流れ込むということだって起きないとは言えないのです。(・・・) そんなことが起きれば、これは大変です。これは、是非とも防止しないと。 これがアル・ゴアの主張でした。確かに、確実なこととは断言できません。確実に海面が6mも上昇して水浸しになるということは言えません。しかし、誰も何が起きるか分かっていない。これが現実です。 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに (yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか (一日でワンクリックが有効です) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2019.03.29 23:12:33
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