はぎおの「ツボ」note

彼が逝って10日経ったでしょうか。

先日も書きましたが、その後、彼のニュース、名曲の数々、そして葬儀を見るたびに、ますます寂しさがつのってきます。
特に、歌を聞けば聞くほど、改めて上手さが際立って感じられて、涙が出てきてしまいます。

今まで、大好きな芸能人の訃報をたくさん目にしましたが、こんなにもいつまでも癒えないのは、初めてかもしれません。

正直、当時はそんなに熱心だったわけではなかったのに、エネルギッシュな姿、存在そのものが当たり前すぎて、逆に、いなくなってしまったことが、受け入れられないのかもしれませんね。

 

各局、特別番組・追悼番組をいろいろと放送して、これもまた、今見るのが若干辛い・・・ 葬儀会場に飾られていた、2年前の3人での写真。本当に良い表情、ステキな写真でした。

そんな中、ＮＨＫがなかなか珍しい番組を放送してくれました。

ミュージックinドラマ「ホシに願いを」

しかも、同じく今年亡くなった、大杉漣さんもご出演。奇しくもお二人を追悼する番組になってしまいました。

・・・これが、なかなかの斬新な作品で。（内容はこちら↓ネタバレです）

世界の共通言語であり、人間同士の温かいコミュニケーションの象徴でもある音楽。その音楽の力を軸に「人を信頼する気持ち」と「世代を超えて受け継がれていく希望」を描いていくミュージック in ドラマ。警視庁の若手科学捜査官･岡本（稲垣吾郎）は、歌恋温泉郷周辺を管轄する歌恋署に科学捜査の講義をするため、温泉を訪れる。地元署のベテラン刑事でコーラス部長でもある村田（大杉 漣）は、ちょうど公演中のミュージカルに岡本を誘う。しかし劇場に行ってみると大騒ぎ。劇団のトップスター（西城秀樹）と若手スター（石井一孝）が開幕直前まで姿を見せないのだ。そこへトップスターが現れ、座長（木の実ナナ）は開幕を決断する。若手スターの代役をたてて、なんとか無事にその日の公演が終了したその時、行方不明だった若手スターが病院に担ぎ込まれる。誰かに崖から突き落とされたらしい。犯人は誰だ？

 

ミュージックinドラマ・・・と銘打ってますが、ほぼミュージカルでした。
放送は2004年。主演は稲垣吾郎さん。
大杉 漣、長山洋子、石井一孝、ソニン、中島啓江、パパイヤ鈴木、笹野高史、松金よね子、大江千里、斉藤 暁、木の実ナナ、西城秀樹　ほか （敬称略）
実は他にも、熊倉一雄さん、戸井勝海さん、福本伸一、そして玉野和紀さんなどなど、歌手・演劇・ミュージカル系の方がたくさんご出演でした。

こう見ると、すでに亡くなった方、新しいジャンルに進んだ方、懐かしい面々で、それもまた時間の流れを痛感しました。

 

ミステリーでありながら、演劇界の舞台裏、そして、世代交代を描いていてました。
半分は歌に乗せたセリフだったので、なかなかストーリーが入ってこなかったんですがちょっと面白かったですね。

キングと呼ばれたスターに秀樹さん。確か、最初の脳梗塞から復帰して直後ではないかと。
でも、そんなことを感じさせない歌声とダンスとオーラが、やっぱりこの人はスターだなぁと。そして、危機を乗り越えた直後のたくましさと、若干の悲哀もあって、円熟味を感じました。
後輩にトップの座を譲る・・・というお芝居を、この当時どんな気持ちで演じていたのか。ちょっと聞いてみたかった気もしますが。

漣さんも楽しそうに演じられていて・・・まさか、このお二人が、同じ年に亡くなるとは、誰も思いもしなかったでしょう。

そういえば、主演はまだまだアイドルとして輝いていた吾郎さんでしたが、周囲の強烈個性派と、スター秀樹のオーラに、正直あまり目立ってなかったかも・・・（失礼）

 

なかなか、面白い番組でした。
が、見れば見る程、元気だった秀樹さん、そして漣さんがいなくなった現実を突きつけられたようで。

 

ＮＨＫさん、貴重な番組ありがとうございました。

ミュージカル…もし、病気にならなければ、歌だけでなく、きっと舞台でも活躍されてたでしょう。 ふと思ったのは、「レミゼ」のアンジョルラスを見たかったなぁ〜。五郎さんがマリウスを、岩崎宏美さんがファンテーヌを演じた、あの初演で。 赤が似合う、エネルギッシュなヒデキだったら、どう演じたんだろう… 「ジキルとハイド」も見たかったかも… 「もし」はないけれど、彼ならきっと…そう思えば思うほど、本当に残念でなりません。