皆さん、こんにちは!
少し前になりますが、ベルリン国立歌劇場のトリスタンとイゾルデの初日の公演に行ってきました。
指揮はこの歌劇場の音楽監督を務めるバレンボイム。
バレンボイムが指揮するときは、チケットは早々に売り切れてしまうのですが、今回は2階の一番後ろの席が公演直前にも関わらず1枚だけ余ってました。
ラッキー
さて、キャスティングは以下の通り。
TRISTAN :Peter Seiffert
- KÖNIG MARKE: Stephen Milling
- ISOLDE: Waltraud Meier
- KURWENAL: Boaz Daniel
- MELOT: Stephen Chambers
- BRANGÄNE: Ekaterina Gubanova
- EIN HIRT | STIMME EINES JUNGEN SEEMANNS: Florian Hoffmann
- EIN STEUERMANN: Maximilian Krummen
トリスタンもイゾルデも、ドイツでベテランのワーグナー歌いですね。
ヴァルトラウト・マイヤーはイゾルデを歌わせたらドイツで右に出る人はいないと言われるほどのイゾルデ歌いです。
しかし、もう「でした」かもしれません。
60歳近い年齢になっていますし、素晴らしい録音の数々と比べると、この日は声の不調もあったと思いますが、声に力強さがなく、特に気になったのは重心がうまく定まっていないところでした。
クライマックスの「愛の死」での最後の高音を外されたのは、残念でした。
風邪が流行っているのか、この日はトリスタンも不調。
1幕から声がかすれていたのが気になりましたが、舞台が進むにつれ悪化。
トリスタンは舞台にいる時間もものすごく長いので、喉が乾燥したこともあるでしょう。
3幕では、うまく声帯が合わさっていない歌い方になり、聴いていてちょっとつらかったです。
他の歌手は素晴らしかったですね
特にマルケ王のSTEPHEN mILLING と クルヴェナール役のBOAZ dANIEL。
抜群の安定感でした。
ワーグナー作品の面白いな、というところは、歌手が多少期待を裏切る内容であっても、オーケストラが素晴らしければ、舞台としては成功なのではないか、ということですね。
ベルリン国立歌劇場の演奏は過去何回も聴いていますが、バレンボイムの指揮での音は、いつものそれと格段に違っていましたし、音色が多彩でオーケストラの演奏を本当に楽しむことができたんですね。
客層もいつもと全く違っていました。
年齢層は上の方が多く、序曲が始まる前もいつも以上にしーんと静まり返っていました。
序曲が始まると、周りには目をつぶって恍惚とした表情を浮かべるおじいさんたち。
バレンボイムがドイツにおいて既に神格化している、ということもありますが、やはりワーグナー作品はドイツ人にとって特別なんですね。
全幕が終わると、お客さんは全員スタンディングオベーション。
客席の興奮と言ったらなかったですね。
確かに、トリスタンは美しい作品です。
演奏時間だけで4時間という大作ですが、あまりに美しい音楽なので、あっという間に感じられます。
次回は是非、歌手の調子のいい時にもう一度聴きたいなぁと思いますね。
それでは、また
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