話題のEMP攻撃とやらについて超簡単に説明する。 | キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)

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先日から唐突に北朝鮮のEMP(電磁パルス)攻撃の危険性があちこちで騒がれているので、

実は「24」のようなSFな設定ドラマのEMP兵器をみてしまったので、さぞかし怖いんだろうなぁとおもってしまったので、軍事顧問の雪だるま氏にレクチャをうけてきたところだ。

FBのお友達のみなさんにざっくりとした説明ならするけどきく?ってきいたら、何人か手をあげたので説明することにした。
(正確なデータをつきあわせたような細かい説明はしないしするつもりはありません。)
ざっくりとアバウトに分かればOKという人だけこの先よんでくださいねー。

きっちりしたことは専門家に質問ください。わたくしはFBFのみなさんがざっくりと理解してくれればあとあと話がおもしろいなーとおもって書いているだけでございます。

ということでご了承いただける方のみ、読んでくださいねー。




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ドラマなどでEMP攻撃で、事務所の機器類がすべてダメになってしまうシーンを見てしまった人などはきっとさぞかし恐ろしいものに違いないと思ったんだろうとおもう。それはSFなのでそんなものなんかじゃないのでそのドラマとか映画の洗脳を解くべく簡単に説明をしておくね。

 

なお、この説明は軍事専門家ではないごくごくふつうの人がどんなもんなんか大雑把にわかるために書いておりますので、細かい分析とか研究結果とかはいずれ軍事専門家のみなさんが書いてくれるのでそちらをご覧ください。大雑把な説明でざっくりつかめればいいやーという方はさらに読み進んでくださいませー。

 

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さてドラマなんかで出てくるEMP兵器(SFの想像上のもの)は、そういうEMP兵器という機械があって機動した瞬間に人は大丈夫だが電化製品なんかがすべてダメになっちゃうもの。


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さて、北朝鮮がEMP攻撃するぞと言っているのは、核兵器でという話。

まず、核爆発が起きると電磁パルスが起きる。核分裂がおきると大量に発生する同位体がα線とかベータ線とかガンマ線とかが大量にでる。いろんな種類のものがあり周波数もいろいろあるが、周波数によって多少の差はあるんだけど、電気が流れるモノにそれらが当たると、勝手に電気が流れちゃう性質がある。で、人体ではたいしたことないんだけど、これがLSIとかICとかの中の配線だと、その電気でブチって焼ききれちゃうカモしれない。(大丈夫かもしれない)


少しの電気だったら大丈夫だけど、一定以上の電気だと壊れちゃう可能性がある。

これは原爆が爆発するときには同時におきてる。

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地上で原爆が爆発したら、その近くの電子機器は内部で故障してるかもしれない可能性がかなり高くなる...だけど、それって、それ以前にふっとばされてるジャン?だから故障してるかもー以前に爆風やら熱ですっかり跡形もなくなっとるわ!なので、だれも気にしてない。もう跡形もないものだからね。

 

で、もう一度ドラマ「24」とか「マトリックス」に戻るのだけど、電子機器の配線を焼き切るほどの電波を、核爆発とかのエネルギーも使わずに、それなりに小さい装置で、「ぽちっとな」で発生して大きな威力をもたせてるんだが、あれは謎装置なのでSF。どうやってるのかわからない想像上の兵器。これを見てるとそういうのありそうな気がして怖くなるんだよね。私もそうだった。でもあれは想像上の兵器です。

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では北朝鮮がEMP攻撃をするとなると、やはり核兵器によるものになります。核兵器が爆発すれば電磁パルスはでる。これを成層圏よりもずっと高いある層でやるともっとたくさんの効果が得られる。(詳しい説明は難しいので割愛)

だからそこで核爆発を起こす。すると地表近くの爆発とちがって面での効果が得られる。そして、地球も地磁気があるので地表面に降り注ぐ。そうすると、1発の原爆で発生するEMPよりももっと広い範囲で発生してそれが一気に地上に流れるんで、地上付近の話とは違う話になる


 ただし、これは、EMPは発生するけど、「焼き切るほど強力か?」っていうとかなり疑問。
広範囲に電気(電波)が瞬間的に発生するのは間違いなく正しい...だけど、「うわぁー電子機器が全滅したー」って程強い電波なのは、どのあたりまでか?ってのは実はあんまり実験してないんでなんとも言えない。

 


実を言うと、米国は何回か実験してる。それも「敵国の電子機器を壊滅させてやるー!」って意図じゃなくて、「コレ使って、敵のICBMを破壊できんじゃね?」という実験で。60年代の機密文章にのっかってるので誰かさがしてね。

 


実験じた当時は、今みたいにナノ単位でしかも複数階層に印刷された高密度のLSIなんて無かったんで、それが核による電磁パルスでどれだけの影響があるか...なんて誰もわからない。実際、そんなところで核爆発をおこしたらどうなるのかなんておっかない実験をする人もいないし、したらアウトだから誰もしない。

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この方法はかなり広範囲にわたる。日本上空でやっても欧州もアメリカも全部で発生するんよ。 問題は、さっきも書いたけど、「どの辺りまで電子機器が壊れるの?」な訳で、そんなのだれも知らないって話

 

当然、日本上空で起きたら北朝鮮だって起きる。日本はそりゃまぁインフラからなにから止まれば「かるく死ねる」状態になる。北朝鮮はもっと牧歌的だから全然OKじゃね?...って話はある。でも、自衛隊なり在日米軍の戦闘能力を奪えるか?ということをやるためのEMPをつかったときに、北朝鮮の戦闘能力は温存できるか?ってことも謎になる。


仮に自衛隊やら在日米軍が戦闘不能になるほどの強さんなら、北朝鮮だってミサイル発射できねーし、虎の子のミグも飛ばせません...って話になる。世界は平和になりました...って話でもあるけど、軍事的にはそれダメでしょ...って事で、まぁ破れかぶれならありかもねーな感じ。

 

 

でも、やぶれかぶれで全世界から核も含めた報復があるこの効果あるかどうかさっぱりわからない攻撃をするなら、核を普通に撃たない??
 

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当然、核兵器をその高高高高高度で撃ってEMP攻撃起こしましたというときは、核をつかって広範囲に世界中に攻撃仕掛けているんだから、そりゃあ報復もあるでしょう。で、EMPが本当に電子機器を破壊しつくしブラックアウトできるのかという効果もやってみないと謎なのに、報復される状況に陥る。



どれっくらい効果があるのか、全く不明な高高高度での核爆発をやる意味があるかな。
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電磁波は高空で起動させると、届く範囲を広いかも知れないが、威力は弱くなると言う事。
エネルギーは距離の2乗に反比例するからね。

球状に広がるから、球の面積に反比例、すなわち距離の2乗に反比例する。

ってことはものすごーい威力がないとダメだよねー。本当に威力あるんだろうかとかも条件としておいておくね。

 

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ね。EMP攻撃についてはこわーいと考えるほうが無駄な気がしてこない??

 

そういうお話しですわ。

 

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