日本女子プロゴルフ選手権の4日間を総括します。
4日間のスコア分布は以下の通りです。
初日 60台1人、アンダー16人(ベスト69:1人 姜さん)
2日目 60台3人、アンダー15人(ベスト67:1人 鈴木愛さん)
3日目 60台4人、アンダー12人(ベスト68:1人 ジャンウンビさん)
最終日 60台2人、アンダー11人(ベスト68:1人 イナリさん、リエスドさん)
数字だけ見ると、比較的安定していますし、アンダーパーで回った選手数はラウンドが進むごとに少なくなっていますので、公正で良いセッティングだったことがわかります。
優勝スコアが5アンダー、アンダーパーフィニッシュが9人という結果でしたが、これは試合前に、コースセッティングを行った岡本さんや入江さんが言っていた15アンダーとはかなりかけ離れたスコアでした。
ちなみに試合前の選手インタビューで、イボミさんと成田さんは10アンダー程度と予想していました。
同じコースでもラフの深さ、フェアウェーの狭さ、グリーンの硬さ、ピン位置の加減によってスコアは大きく違ってきます。
ネギックも今回の美奈木でプレーした経験があるのですが、関西に多いフェアウェーが狭くて、アップダウンがきつい、例えば花屋敷よかわコースとはかなり違い、プレーしやすく、いわゆる接待向きのコースです。ただ、グリーンは砲台で難しいです。
試合の設定を難しくしようとしても、通常営業をしながらなので現実的ではないという意見がありますが、そんなことはありません。プロの試合前だという理由で難しくなっていても多くのお客は文句を言いません。ラフに入れてボールを失うことは多くなり、プレースピードも遅くなる難点はありますが、それこそ顧客サービスで何とかできる話です。
また今回のようなメジャーではない一般の試合では、ここまで難しくする必要はないのですから、ある程度コースセッティングを難しくすることは可能でしょう。
やはり難しいコースでの試合を経験しないと技術は向上しません。
今回、15アンダーを優勝スコアと予想したのは、コースの難化を予想できなかったというよりも、選手のレベルを甘く見過ぎていたとしか考えられません。
それは、好スコアで優勝争いが行われ、あるいは、予選カットラインが年々向上していることによる錯覚です。道具が進化しているゴルフにおいて、前年と同じようなセッティングを続けていれば、数年後にはコース設定がかなり甘いものになってしまいます。
バーディ合戦が盛り上がるという幻想を捨て、世界で戦える選手を育成するためにも、示し合わせたように12~15アンダーで優勝争いが行われるような試合が続くことを止めて欲しいと思います。
話題は変わりますが、エビアンにおける報道で気になったことがあります。
初日、美香さんが2アンダーと好発進した際の彼女のコメントです。同じIMGを練習拠点とする錦織選手が全米オープンテニスで準優勝したことが刺激になったというものです。
刺激になったことは少なくとも間違いではないでしょう。ただ、初日が終わった段階で、このようなコメントをマスコミが引き出したのだとすれば残念です。
美香さんは残り3日間の日程を残していて、どのような結果になるのかわかりませんから、この段階でこういうコメントを発してしまうことで、順位を落とした時に「その程度のものか」と批判の対象にされてしまいます。彼女の方から積極的に話したコメントだとすれば思慮が浅いとしか言いようがありませんが、マスコミに誘導されたような気がします。4日間終わった段階で今シーズン一番の成績を残したのであれば、こういうコメントも良いでしょうが・・・。
逆に、さくらちゃんに関する報道は殆どありませんでした。最終日のスコアに多少の不満を漏らしながらも収穫はあったというコメントでした。そうだろうな・・・というコメントです。
最近、自信満々のコメントをする選手や、何かとこじつけのような報道が目立ちますが、スポーツは結果が全てです。マスコミの誘導があるのでしょうが、選手の皆さんは後で恥をかくようなコメントはできるだけ避けたいものです。