終わろうとしている一日、今日は終戦記念日だった・・・・・・・・・
昭和二十年三月二十一日 陽光麗らかな日
「美しく立派に散るぞ!」
そう言って一番機に向かう友の胸に、 俺はまだ蕾だった桜の一枝を飾って送った。
明日は俺の番だ。
死ぬ時が別々になってしまったが、靖国神社で逢える。
その時は、きっと桜の花も満開だろう。
三月二十六日 花爽やかに開く日。
お父さん、お母さん、只今より出発します。
この世に生を受けて二十三年。
まさか、お父さんやお母さんより早く死ぬとは思ってもいませんでした。
お母さん、「泣くな」と言うのは無理かも知れません。
でも、どうか「よく死んでくれた!」そう言って下さい。
私達は祖国を護る為に死んで行くのですから。
四月月二日 春雨の煙る日。
幸か、不幸か、俺はまだ今日も生き延びている。
だが、雨が上がり、虹が橋を架け、茜色の夕燒け空が拡がる時に、
俺は必ず征く。
後に続くことを信じて。
俺達の死を決して、犬死にしてもらいたくないのだ。
海軍少尉、小野栄一、身長五尺七寸、体重十七貫五百、極めて健康。
死するとも なお死するとも わが魂よ
永久にとどまり 御国護らせ
ジロウ (←人気ブログランキング、
お気にめせば拍手かクリックお願いします )
コメント 拍手 お待ち申し上げます
コメント