驚き桃の木カスターニャの木 11 鷹と入れ墨 | 星の輪ネットワーク

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金 銀花の独学パン工房 .
山ぶどうから生まれた自家製天然酵母で焼くパンを楽しみ、緑に囲まれて暮らすワンダーフルな日々の出来事を綴ります。

滞在中二回目の土曜日、お天気は最高です。

午前中は協会広場のお祭りを愉しみました。

午後からは鷹匠のショーを見に行く事になっています。

週の初めに一度訪れた僧院の横に

鷹を飼育している場所が有る事を知りました。

この辺りの領主達は中世以来、鷹を使って狩りを愉しむ事が多かったのだそうです。

鷹匠は領主から手厚くもてなされ誉れ高い職業でした。


ここでは現在の鷹匠が鷹を飼育しながら

伝統を守りつつ人々に観賞の機会を作っています。

鷹のショーは一日置きに週三回、

午前と午後一回ずつのお披露目です。

私たちは午後三時の部に入りました。



ここが鷹園の入り口です。

何が行われているのか、外からは全く分からないようになってます。

午後三時になると開門しました。

観客は私たち一行を含めておおよそ四十人。

四分の一が子供でした。


最初にテレビでもお馴染みだと云うお爺さんがフクロウと一緒にみんなの前に出て来ました。




名前がついていて、話しかける言葉に反応して首を回したり傾げたりするのです。

可愛かったー(≧▽≦)

お爺さんはサービスでカメラのためにあっちこっち向いてポーズを決めます。

フクロウは50センチくらい有ったでしょうか。

案外大きいのです。


アシスタントの彼女が腕に乗せてみんなの前まで連れて来ました。



お爺さんは鷹匠の歴史などをジョークを交えて語りながらみんなの気持ちを惹き付けています。

お爺さんの時間が終わって暫くすると、

いよいよ若い鷹匠の出番。

先ほどから門の脇の小屋の前でスタンバイしているが見えていました。

右手に分厚い皮の保護具を付け

敏捷そうな若い鷹を乗せて観客の前に現代の鷹匠が現われました。

( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

げ、

この人全身、

イ,レ、ズ、ミ、

や〜んか目


が、しかし

もっと驚いたのは観客の反応なのでした。

驚いているのは

東洋人の私だけ、

みんな丸で反応無し。

全く当たり前。

誰一人

何も云いません。

極々自然。

(°Д°;≡°Д°;)

入れ墨がここまで社会に受け入れられていようとは思いませんでした。


「見て,あの人首までタトゥーよ」


私は云いました。

だってビックリだもの。

その上ぶら下がった耳たぶには
向こう側が見えるくらいのピアスのデカい穴が空いています。

すげー、


全身タトゥーの人がこうしてちゃんと仕事しているって

なんだか好いな。



そう思っちゃいました。(#⌒∇⌒#)ゞ


つれ合いが

日本の入れ墨文化に関しておっしゃるには、

入れ墨を全身に彫り込む人たちの心理は

無敵の自分を作る行為なのだそうです。

あれだけの痛みに耐え抜いた強靭な忍耐力が武器となるのだと・・・・・。

これはあくまでも彼の意見ですよ。

でも実際、日本の彫り師と云われる人の仕事は

現代のレーザーを使って入れるようなものとは違うようです。

私も詳しくは知りませんが、

相当な痛みを伴うそうですよ。

そしてその痛みがおまりに大きいので一度には出来ずに、

幾年もかけたりして一つの画題を彫り上げるのでしょう。

そのとてつもない痛みを乗り越えた精神力と忍耐力は

力となります。

人々を震えあがらせる力です。

入れ墨を入れるという行為と精神力に人々は

その入れ墨を見ただけでまるで自分の身体を痛めたかの様に

顔をしかめ震えあがるのです。

痛いのを知っているだけに

その痛みに耐えたという事が強靭な男の証明にもなるのでしょう。

実際彼自身も身体じゅうに勇気が漲っているような気持ちになるのでしょうね。

ことさらに人を脅す道具にしている向きも有りますよ。

一方、西洋社会に現在流行しているレーザータイプのタトゥーは

その意味に人を怖がらせるためというのが入っていない気がするのです。

日本人でも最近は一部の若い人にプチ入れ墨や全身入れ墨が流行っていたりします。

私も若い知り合いの中に一人ですが、ほぼ全身入れ墨を入れた女性がいるし、

肩や背中や腰に小さい入れ墨を入れた女性も何人も知っています。

近所にも一人半身以上は入れ墨の人が居ます。

私の周りは自由人が多いですから普通よりタトゥーの割合が多いかもしれません。

が、昔に比べればそれくらい怖がらせるためではない入れ墨を

入れる人が増えている訳です。

ですからそれを目にする方も考えを変えて行った方が良いですよね。

以前いつも行く日帰り温泉でサウナに入って居りました。

たいてい同じ時間に行くのでメンバーが決まっています。

いつものおばさん達がお喋りしながらサウナを愉しんでいるのです。

その時はこんな会話が聞こえて来ました。

「入れ墨の人来てるね。」

「子供が二人居る人やら?」

「入れ墨の人は入浴お断りのはずだがな」

「受付じゃ見えんのだろ」

「隠さんな」

「昔は入れ墨をしていて隠すように入っている人居たじゃない」

「そうそうたいてい隠すな」

「あの人は隠さんな」

私はこの話を聞いていて

一体どんな入れ墨を入れた人が来ているのか見たくなりました。

スッとサウナを出て洗い場の方に歩いて行くと、

右の肩に透かし彫りの様な入れ墨の人が見えました。

7、8歳の娘がいる若い女性です。

じろじろ見た訳では有りませんが、

その入れ墨はまあまあ目立ちます。

だけども見るからにそれは人を怖がらせるために彫られたものではないと判りました。


ところがあまりにも長い間、入れ墨=怖い人という

思い込みが結晶化しているので自分たちの云っている事の意味さえ判らなくなっています。

入れ墨は怖いものという考え方は変えるべきです。

入れ墨の背後に有るものを理解しなければなりません。

むやみやたらに怖っがってばかり居ては駄目。

それどころか、

入れ墨が部族の象徴で国民の大半が入れ墨をしている国も有るのです。

いつだったかそんな部族の女性が来日し、

温泉で入れ墨のために入浴を断られた事が有りました。

彼女はとても憤慨して、悲しい思いをしたのです。

日本国も現在の様にたくさんの外国のお客が来訪するようになると、

盲滅法に入れ墨は駄目と決めつけてばかりいないで欲しいです。

温泉は少なくとも

「人に脅威を与えるために彫られた入れ墨の人はお断り」とか、

ハッキリ書けば好いんじゃないですか?


この国ではすっかり社会に受け入れられている全身タトゥーの若者をみて、

考えさせられました。

それにしてもこの国は本当に自由の国なんですね。

タトゥーを入れてたら失業するかもしれないとか、

良い就職をしたければこうでなければ・・という制約が

こちらの国は多過ぎると感じます。

余談になりますが、

帰国の際のエアポートでの事です。

出国審査のまえにパスポートチェックが有りました。

大柄なブロンドの女性です。

その係官の派手さに度肝を抜かれました。

私のパスポートを見ようとして、

下げたまぶたが銀色のラメラメ。

キラキラしています。

その一番したの縁には素晴らしく明るいコバルトブルーのアイシャドウが

線の様に引かれていました。

真っ赤な口紅にフルメイクの係官。

これからどちらのパーティーにお出かけですか?

そんなジョークが軽く云えたら上等だろうね。

しかしなんと云っても圧巻はこれでした。

頭は金髪を盛り上げて、

ティアラの様なキラキラしたカチューシャ(って古いか知らん)

を額に真一文字に付けていたのです。

あなたはお姫様?

クラッカー


まったくこれには度肝を抜かれました。


良いのかい、これで首にならないのかい?

空港で働いている、

パスポートをチェックする係の人がこの化粧で良いのかい?

アンビリーバヴァブルΣ(・ω・ノ)ノ!



全く自由な国って凄いですよね。

その昔、インドを旅した時も

その何でもありなカルチャーにビックリしっ放しでしたが、


世界を歩いてみると何を目にするか判りませんね。

きっとそれが旅の面白さなんでしょうね。










鷹使いは鷹に名前を付けています。

鷹を自由に飛ばして、

餌付けでなつけているので

名前を呼ぶと高い梢の上から入れ墨の男めがけてヒューッと風を切って下りて来ます。

その姿の美しい事。

鷹は私たちの頭上すれすれを飛んでみたり、

観客の隣に舞い降りたりします。

一度は私の頭の上に止まりました。

後ろから突然ふんわりと着地して直ぐにまた行ってしまったので

足がタッチした感覚だけ記憶に残っています。

特別な感覚でした。


お爺さんが私の方を見る時に


このアジア人に何かしてやろうと企んでいたような気がしました。

茶目っ気の有る目で時々私の方を見ていたのですからきっとそうでしょう。

おかげで思い出が残りました。

鷹のショーはおよそ一時間。

お爺さんの巧みな話術と目の前で見る猛禽類の鳥達の美しさに目を見張っているうちに

時間はあっという間に過ぎました。



こちらはアメリカ大陸に住むオオワシです。


帰り際に私たちを見送ってくれたのは

生後4ヶ月のフクロウの赤ちゃんでした。

ショーの始まりに挨拶したあのフクロウの赤ちゃんです。





まるでぬいぐるみみたいだね。

これでも生きています。ヾ(@^(∞)^@)ノ


































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