ずいぶん昔からある、高知の老舗喫茶店『DEPOT(デポー)』京町店が、2017年リニューアルオープン!
以前はクラッシックな「昭和の喫茶店」といった雰囲気で営業されていたデポーが、近代的な喫茶店に生まれ変わった。
店内を完全禁煙化。五連サイフォンを導入し、有機栽培&RA認証の「ダークロースト珈琲」がいただけるようになっている。
ダークロースト!
暗闇の中でローストしたコーヒーに違いない。
本来ならばその辺りを解明しなければならないが、リニューアル後・初来店の今回は、あえてデリケートな部分には触れないように進めていこうと思う。
まずは「デポー」の意味から、改めて学んでおきたい。
DEPOT(デポー)とは
「デポー」はフランス語で「倉庫」の意味。
いろんな人が集まり、にぎわいのある店づくり、よい商品作りを目指して皆様の憩いの場所(倉庫)としてデポーと名付けました。
……とのこと。
「なるほど、倉庫……」
ほぉ……と思い読み進めると、最後はこう結ばれている。
デポーをこれからもスタッフ一同、よろしくお願いします。(喫茶デポーのメニューより引用)
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします!」
私は入口で出迎える「デポー貴婦人」の肖像画に、そう一礼して入店した。
入口の扉から変えてきている、デポー!
「扉も変えられたんだなぁ……」
デポー京町店に、十代の頃から20年通っている竜一。
思い入れしかない!
リニューアルした、デポー京町店の店内
ビルの2階にある『デポー京町店』。窓際に以前はなかったカウンター席が設けられ、濃い茶系の色だったテーブルやソファーも、明るい配色のものに一新されている。
しかしカウンター席以外における席の配置はほぼ同じで、昔からの常連客も戸惑うシーンはあまりないのではと思う。
▲ ほかのお客さんがいたため写真は撮りませんでしたが、窓際に設けられた新しいカウンター席は上記画像のような雰囲気です。
飲食店の雰囲気作りは難しくて、よく老舗のお店が改装されると雰囲気がガラッと変わってしまって、それまでのお客さんが来づらくなってしまったりすることがあるけれど、デポー京町店は元のよさを残しつつ上手く改装されている感じ。
デポー京町店のメニュー
新しくなったのはお店の内装だけではない。
メニューにも、新作が投入されているとのこと。
洋風の料理から、和風の料理までそろっている。
▲ 激しくブレました。すみません。心の目で見てください。
▲ モーニングメニューも充実。
「すごいボリューム!この構成でこのお値段!」
改装したおカネは回収できるのかと、下世話なことを考えてしまうほどのコスパである。
個人的にドリンクメニューのおすすめは、お店側も「おすすめ」と書かれているけれど「クリームソーダ」。
デポーは、クリームソーダ屋さんです。
お店の長い歴史がミックスされているからか、「ミックスジュース」もおいしい。
モーニングも魅力的なラインナップだが、この局面、昼!
今回はランチ!
デポー京町店のランチ2連発だ!
おむすびバスケット
初手は「おむすびバスケット」!
ふんわり!海苔!
握るというよりは、添えたような、そんな海苔の光景!
全景は、こう!
ピクニックに持って行けそうな、小洒落たバスケット。カゴの中に唐揚げやサラダ、卵焼きが詰められている。
これをお母さんが作ってくれたとして、私が子どもだったらピクニック先で感極まる。そういう仕様。
唐揚げ大きい。
隕石のように巨大。これが落ちてきたらだいぶ痛い。しかし口に入れればおいしいだろう。食べなくてもわかるが、実際に食べてみても、やはりおいしい。
やわらかい。モモ肉。
ムネでないことはすぐわかる。プリップリのやわらかいモモ肉が「私はモモですよ」とキッチリ説明を付けてくれる。
本来ならば「食べ順ダイエット」で先に食べたいのは、ヘルシー路線の代表格、サラダ。
キャベツを主体にニンジン、そしてウチの子が大好きな「コーン」、さらにはゆで卵が入っているのに、隣の器にも「卵焼き」の姿が見える。
告白しよう。
私は卵が好きだ。
卵が好きすぎて、近年は自身の体型を、丸い「卵形」に近づけているほど好きだ。
この卵攻めには、
卵の竜一、歓喜。
「ゆで」と「焼き」。よもや2種類の卵が食べられるとは夢にも思わなかった。
「ありがとうデポー」と私は一礼した。
ナポリタンとミニグラタンセット
次順はこちら。
「ナポリタンとミニグラタンセット」。
ナポリタンにミニグラタン、なにも言わずに黙ってサラダにサンドイッチ、デザートにドリンクまで付けてくるという、男気すら感じさせる「おすすめメニュー」の筆頭に記載されたセットである。
やってきた!やってきた!
デポーらしいのが、やってきた!
このメニューは新メニューである模様。だがデポーは以前から、こういった小さな料理を組み合わせたセットを置いている印象がある。
私の中の"デポーイメージ"。それが凝縮されたのが「ナポリタンとミニグラタンセット」。
この話の続きは、2万文字コース。飲みながら誰かとしたい。
巨大サンド。
唐揚げも大きかったが、サンドイッチも大きい。全長はそれほどでもないけれど、横幅はほとんどハンバーガー。
アメリカンナイズドの風が吹く!
油断してかわいらしく食べると、落ちるゆで卵。スライストマトも垂れてくる。
もはやこの状況、かわいらしさは必要ない。
ここはニューヨーク・マンハッタンの調子で豪快にかぶり付く!
すると卵は落ちず、トマトも大人しい。
「よしよし。上手に食べられた。言うことを聞いたぞ具材たちが!」
万が一、具材が落ちても大丈夫。テーブルの脇には複数枚の紙ナプキン完備された万全の体制!
このセットの中で、ナポリタンと双璧をなす存在、
ミニグラタンはここにいた。
ホタテ貝を模した器に入っているが、あわや高知名物「長太郎貝(ヒオウギ貝)」かもしれない。
「そんなマニアックな仕掛けはないか……」
ゴチャゴチャと考えながら食べるも、味はシンプル。
グラタンの味!
「普通においしい」
"普通においしい"という表現を嫌う人が時々いるが、"普通においしい"は非常に重要。
たとえば、あなたのお母さん、あるいは奥様が作ってくれたお料理は"普通においしい"でしょう。毎日飛び上がって「おいしい!なにこれ!最高!」などと絶叫して喜んでいるのかということになる。
普通においしいから、毎日食べても飽きない。継続的に食べられる。
日常に溶け込む、それが普通なのだ。
そんな話は置いておいて、
「おむすびバスケット」と同様に、「ナポリタンとミニグラタンセット」にもサラダが付く。
ただこちらのサラダのほうがサイズは大きい。
野菜をたくさん食べて栄養を取ったあとは、いよいよ主役のナポリタンだ。
喫茶店の真価が問われます「ナポリタン」。
昭和の頃から店を構える、老舗の喫茶店には大抵「ナポリタン」があるもので、Googleの検索窓に「喫茶店」と打ち込むと「喫茶店 ナポリタン」と勝手に表示される。
そのくらい、喫茶店といえばの「ナポリタン」。ナポリタンといえば「喫茶店」なのである。
そんな中、デポーのナポリタン!
伸びる!伸びる!
スパゲッティがどこまでも伸びていく!
「昭和の味がする……!」
昭和時代から時間をかけて熟成された味が、皿の中でひとつの答えを出している!
「ケチャップが強くない。食べやすい……!」
俺はケチャップだ、と言わないんです!
ナポリタンを食べおおすと、見えてきた!
最終盤のデザート!プリン!
ここまで3,000文字オーバー!
ようやくたどり着いたフィニッシュライン!
リニューアルしたデポーには、小さな料理がたくさんのったセットメニューのように、古きよさと、新しきよさ、
そのすべてが詰まっていた!
デポー京町店の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/高知県高知市はりまや町1丁目3-1 2階(地図)
営業時間/8:00~22:00
定休日/無
駐車場/無
■カウンター席/有 ■テーブル席/有 ■座敷/無