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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年03月24日
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テーマ:洋楽(3285)
過渡期の1枚


 1970~74年に当たる時期は、フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)にとって危機と変化の時代だった。1968~69年にかけて、ピーター・グリーン時代を擁するブルース・ロックど真ん中とも言えるバンドが、1975年以降のポップ・ロック的なバンドへと変容する過程での模索を代表する1枚が本盤『神秘の扉(Mystery to Me)』だと言える。

 メンバーの変化を少し整理しておこう。ピーター・グリーン離脱後、音楽面をリードしたジェレミー・スペンサーも間もなくバンドを離脱。ボブ・ウェルチらが加入し、ダニー・カーワンが音楽面で引っ張っていく時期を経た。しかし、カーワンもまた『枯れ木』を最後にバンドを去ることになった。そのカーワンの代わりに加入したのがボブ・ウェストンだった。他方、ボブ・ウェルチは1974年にバンドを脱退することになる。簡単にまとめると、本盤『神秘の扉』は、カーワン脱退・ウェストン加入後で、ウェルチも在籍中の時期の作品ということになる。

 上で述べたように、フリートウッド・マックはブルース・ロックから次第にポップな方向に進んだと言われ、総論的にはそうなのだけれど、その過渡期にはジャズ・ロック的でポップというよりはややシリアスで職人的な方向性も見せた。この『神秘の扉』はそうした方向性が含まれた1枚である。

 そのようなわけで、クリスティン・マクヴィーの2.「ビリーヴ・ミー」や3.「ジャスト・クレイジー・ラヴ」、あるいは10.「感じるままに」のように近未来のポップな方向性を予感させるナンバーもあれば、それとはまったく異なる雰囲気を醸し出すいくつかの曲の演奏も見られる。個人的に注目と思う曲をいくつか挙げてみたい。ラジオでよくオンエアされたという4.「ヒプナタイズド」のまったり感は捨てがたく、これが本盤の色と言えるわけではないのだけれど、筆者の中では『神秘の扉』といえばこの曲という方程式のようなものが出来あがってしまっている。同じくまったりした雰囲気なのが、クリスティン・マクヴィーの12.「ホワイ」。これもまた中毒性のあるナンバーだと思う。他方、ロック・バンドとしての面目躍如は7.「ザ・シティ」が抜きんでている。他のウェルチの曲(例えば9.「サムバディ」)も捨てがたい。あと、注目したいのは、11.「フォー・ユア・ラヴ」。ヤードバーズで知られるかの有名なナンバーをカバーしている。

 余談ながら、本作発表後のツアー中、ボブ・ウェストンにはミック・フリートウッドの妻との不倫騒動が発覚した。ウェストンはバンドをクビになり、残るツアーはキャンセルしたが、次は“偽フリートウッド・マック騒動”(ツアー中止を恐れて偽のバンドをフリートウッド・マックとしてステージに出させた)が勃発する。作品の内容がよかっただけに、何とも後味の悪い展開となった。


[収録アルバム]

1. Emerald Eyes
2. Believe Me
3. Just Crazy Love
4. Hypnotized
5. Forever
6. Keep On Going
7. The City
8. Miles Away
9. Somebody
10. The Way I Feel
11. For Your Love
12. Why

1973年リリース。




 ​
【輸入盤】FLEETWOOD MAC フリートウッド・マック/MYSTERY TO ME(CD)




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Last updated  2018年03月25日 00時00分43秒
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