阿吽とはなにか
「阿吽の呼吸」・「阿吽の仲」などとも呼ばれる「阿吽」とは、二つのものが揃って一組となる一対のもの～二人以上が一つの事をする時の微妙なタイミングや気持ちの一致を表す意味となります。
梵語（サンスクリット語）の阿吽（a-hum）とは、仏教の呪文（真言）の1つで、梵語の悉曇の字母表で、最初の韻（口を開いて最初に出す音：呼気）が「阿（a）」、最後の韻（口を閉じて出す最後の音：吸気）が「吽（hum）」であることに由来しています。
ここから転じて、「宇宙の始まりと終わり」・「真実や求道心と智慧や涅槃」を表す言葉とされ、密教では「万物の根源」と「一切が帰着する知徳」の象徴とされています。
神社や寺院の入口の両脇や本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形で鎮座する狛犬や仁王・沖縄のシーサーなどに阿吽の姿を見ることが出来ますが、二つが揃ってひとつとなるのですから、どちらが欠けても意味をなさぬ、切っても切れぬモノになります。
共依存とは「愛情という名の支配」
知人からの頼みを受けて、３人家族の親子と会うことになりました。
詳しい説明をすることなく「ともかくその親子に会ってみての感想を教えて欲しい」というムン？な頼みに「意図する目的も伝えないでただ会って感想を伝えろというのはあまりにも横柄な要望で、こちらにも先方にも失礼なことだと思う」と伝えると、その親子の父親と知人が知り合いで、母親と娘との関係性について相談を受け、専門外なことでもあったためお鉢をこちらに回してきたことが分かりました。
詳細を綴ることは出来ぬのですが、お会いをし一頻りの時間を一緒に過ごさせて貰ったなかで感じたのは「母親と娘との共依存（Co-dependency）関係」でした。
「愛情という名の支配」とも言われる共依存。
当事者である二人が、お互いに過剰に依存し合う関係性構築をしており、その人間関係に囚われている関係状況を言いますが、正に「愛情という名の支配」の通り、母親から娘に対する接し方は「親の愛情の名を借りた支配」であり、娘から母親に対する接し方は「子の愛情の名を借りた支配」その物であり、母親と娘とが依存関係を強くして自己正当化するための手段として父親を共通の敵にしていることでもありました。
※共依存者の特徴として、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、相手をコントロールして自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平安を保とうとする傾向が意識・無意識下で行われます。
母親に「私と娘は全てが、阿吽の呼吸の仲なのよ」と言われた時には、親子関係は阿吽にはなり得ないのだとの言葉を飲み込み、早々に失礼をさせて貰ったのでした。
築き上げた幸せの形
共依存について書き綴れば数冊の書籍の完成になってしまうため、そこはキーワード検索に委ねようと思うのですが、共依存関係の怖さは、その異常さに当事者である二人が気付かない限りは破綻することもなく「是」の関係として認知され続けることかと思います。
また、当事者たる二人が同時に気付きを得て種々を振り返られることなど皆無であり、「なにかがおかしい？」と違和感を感じた側は、急速に客観的な状況理解と改善を求めていくのに対し、もう一方は「愛情という名の支配」が足りないとの錯覚で依存度を高めたり形を変えての対応を図ろうとしたりすることにもあり、ここから抜け出すことの難しさがあり得ることになります。
概念的に云うならば「愛情と思ってやっている」ことが奇異であり違うと否定されるのですから、一長一短で問題解決が出来るものではなく、相応の時間や種々の環境調整などで対応することにもなります。
母親が娘との関係を称して言われた「阿吽の呼吸の仲」・・・個人の尊厳を認め独り立ちする・しなければならぬ存在・関係であることを踏まえ、愛情の注ぎ方（関係性構築）に留意をして・・・と理性として綴ることは出来ても、情動により絡められた関係の共依存はそうやすやすと解せるものでもありません。
父親と（母親と娘）の別居・娘の就職と恋愛・両親の離婚 etc.
長い時間が経過し、娘さんは母親との共依存関係に気付き苦しむことになりました。
それでも結果として両親は復縁することが決まり、彼女は嫁いでいくことになりました。
「阿吽の仲の親子はあり得ぬけど、阿吽の仲の夫婦になりたいと両親の姿を見ていて思います」と綴られていた彼女からの手紙に遠回りはしても手にした本当の幸せの姿に涙が溢れる想いを抱いたのでした。
「キャリアの翼」は2つのランキング・サイトに参加しています。
もしも、応援を頂ける際は、ワンクリックをお願いします！！
ポチッとね！
にほんブログ村
こちらにもポチッとお願い出来れば・・・メッチャHAPPY！
「人気ブログランキングへ」・・・謝々！
素敵な笑顔溢れる１日でありますように！